
はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
水準測量を行うには、レベル本体と三脚・スタッフを使います

地盤や構造物の高さ・高低差・任意の高さなどを測定するときに行う測量を『水準測量』と呼び
主に建設現場で使われるこの測量は、「レベル」と呼ばれる測量機器を使います。
測量機器は様々な種類があり、高性能なものを使う現場も増えていますが、その中でもレベルのセットは基本中の基本です。
土地や建築物の水平は最も重要な基準です。正確な基準がなければ高性能な建物や構造物もその力を発揮できません。まずはレベルのセットを確実に行い、信頼性の高い測定データを得ることが不可欠です。

先ほどのレベル本体は、『三脚』に固定して使うのが一般的です。
レベル本体のそこには、共通の大きさの「ねじ穴が」あります。
また三脚の「上皿」にはレベルを固定するためのねじが用意されています。
レベルを設置する方法(初級編)
三脚を固定する基本
上の図は、レベルを設置した際の大まかなイメージです。
1.三脚の上皿のねじを使って、レベル本体を仮に固定します(機器がずり落ちない程度で固定します)
2・三脚の脚を、なるべく均等になるように広げます。
3.三脚の脚についている、足で踏む部分を『しっかりと体重をかけて』踏んで固定します。
(このとき三脚の上皿は、斜めにならないように水平に近い状態が理想的です)
(レベル本体の高さは、少し体勢を低くして視準できるように低めに設置します。測量時に背伸びをして覗き込むような高さでは正確な測定が困難で、視準するスタッフの高さも低い方が誤差が少なくなります)
4.仮に固定していた三脚のねじを締め、レベル本体がなるべく水平になるように具合を見ながら固定します。
5.レベル本体の水平を、3つのねじを使って合わせます。
3つのネジを使った、オートレベルの水平の合わせ方
レベル本体の水平の調整は、両手を使います。
「3つのねじ」と書いてしまうと、まるで検索キーワードを意識しているようですが
実際、レベル本体についている水平調節ねじは「3つ」あります。
レベルの扱いに慣れてくると、レベルの水平を調節する指も3本となります。

まず、レベル本体の3つのねじが、自分の体に対して三角形になるよう向きを変えます。
上の図のように、左手が「ねじA」・右手が「ねじB」を調節していきます。
なお「ねじC」は、ねじAとねじBの調節が終わった段階で、右手親指を使って調節する流れになります。
レベルを10秒でセットする流れ
レベルを10秒でセットするのは、やや大げさに感じるかもしれませんが
実際の現場で、慣れてくるとこれくらいの時間でレベルをセットできるようになります。
三脚にレベル本体を取付け、脚を地面にしっかり固定します。
本体に付属している水平を見ながら、両手で2箇所のネジを調整して
左右の高さだけを水平にします。
レベルに向かって、手前または奥方向の高さを調整したら完了です。
レベルのセットと指の使い方(具体的に)
先ほどの流れに沿って、どのようにレベルをセットするのかを具体的に解説します。
まず本体の気泡を水平に合わせるために『左右のネジだけ』調節します。
このとき、ねじAとBを調整するのは両手の指(左手と右手の人差し指または中指)を使います。
このとき注意して欲しいのは、指の動きは左右対称になるようにします。
1.左右の水平を調節する
ねじを回転させる動きは、「開く」・「閉じる」ようなイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。
例えば、レベル本体の「気泡」を、左に動かしたいときには両指を『内側に閉じる動作』
(左手指は時計回り・右手指は反時計回りでねじを回します)
右に動したいときには両指を『開く動作』で、ねじAとBを同時に動かします。
(左手は反時計回り・右手は時計回りでねじを回します)
このようにして、レベル本体の気泡の位置が、左右の中心に合わせ「水平方向の傾きを調整します」
2.手前または奥方向の水平を調節する
最後にねじCを、右手の親指で回転させることで「奥行方向の傾きを調整します」
つまり「左右・奥行方向ともに水平」→「レベル本体は垂直に調整されている」といった具合です。
これだけで、レベルの設置は完了です。
レベルのセットに慣れてきたら
レベルのセットに慣れてきたら、1と2の動作を同時に行なうことで、レベルをセットする時間を大幅に短縮することができるようになります。
レベルにかかわらず、似たような構造の測量機器も同じように1と2の動作を同時に行なうことが可能です。
また、最後にレベル本体の水平が狂っていないかをチェックするために
レベルの向きを適当な方向に回転させます。
レベル本体の気泡が傾くようであれば、三脚との固定が緩いか、レベル本体に誤差が生じています。
建設現場では、基本的に『気泡が丸い軸の中に納まっていれば良い』とされていますが
何度試してみても気泡が傾いてしまう場合は、測量機器の調整をお勧めします。(できれば現場ごとに1回)
最後に おすすめのレベルの紹介
1. トプコンのプロフェッショナルグレード
精度の頂点に挑戦するならトプコン
トプコンのレベルは、プロの測量士たちから厚い信頼を得ています。その秘密は卓越した精度と確かな耐久性にあります。厳しい状況でも正確な測定が可能です。トプコンはプロフェッショナルな測量に欠かせない存在です。
2. マイゾックスの使いやすさと革新
シンプルで使いやすく、革新的なマイゾックス
マイゾックスは使いやすさと技術革新を追求したレベルです。直感的な操作とコンパクトなデザインは、どんな状況でも快適な測量が行えます。また初めての方でも手軽に使え、効率的な作業をサポートします。
3. 両者の特長を比較
トプコンとマイゾックスの特長一覧
特長 | トプコン | マイゾックス |
---|---|---|
精度 | 高い | 使いやすい |
耐久性 | 堅牢 | 軽量で持ち運び便利 |
テクノロジー | 高度 | 最新テクノロジー搭載 |
対象ユーザー | プロの測量士 | 初心者からプロまで |
4. どちらを選ぶべきか?
最適な選択はプロジェクト次第
トプコンとマイゾックス、どちらを選ぶべきかはプロジェクトや使用目的によります。プロの測量士にはトプコンが最適でしょう。一方で、手軽に使いたい方や初心者にはマイゾックスがおすすめです。いずれも卓越した性能で、新たな測量の次元への挑戦を支えます。
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