

はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
CADやグラフィックソフトには、滑らかな曲線を描くための機能に、ベジェ曲線(ベジエ曲線)やスプライン曲線を使用できるものがあります。
これらの曲線を使って作図やトレースを行なう際、曲線の扱いに慣れるまで難しく感じてしまうこともあります。
そもそもベジエ曲線とスプライン曲線との違いが良く分からない場合もあります。
この記事では、CADに関わらず様々なグラフィックソフトにおいて、ベジェ曲線とスプライン曲線の違いと使い方の理解が深まる内容となっていますので、グラフィックソフトに興味のある方にもおすすめです。
今回は、TurboCAD v26を使って、この曲線がどのようなものなのか、使い方も含めて解説しています。
ベジエ曲線とスプライン曲線には数式がある
ベジエ曲線とスプライン曲線には、数式があります。
それぞれの数式についての解説は割愛させて頂きますが、ベジエ曲線とスプライン曲線をCADやグラフィックソフトを使って描いた場合に結果が異なる場合があります。
これは、それぞれのソフトウェアが用いる数学的な表現方法や制御点の配置などに異なるアルゴリズムや特性を持っていることが要因です。
数学的な表現の違いとして、ベジェ曲線は「制御点」を用いて定義された曲線で、制御点のは曲線の全体に影響を及ぼす特徴があります。
スプライン曲線はノットと呼ばれる「制御点(通過点)」を通る曲線と、制御点に引き寄せられる曲線を描くアルゴリズムが採用されていることがあります。
スプライン曲線はいくつか種類があり、代表的なものにはB-スプライン曲線とNURBSがあり、制御点のポイントを修正した場合、曲線が影響を受ける部分は局所的で、曲線の形状をより詳細に制御するときに役立ちます。
TurboCADを使ったベジエ曲線とスプライン曲線の例
※使用するCADやグラフィックソフトによって曲線の結果は異なる場合があり、ソフトを扱いやすくするために操作やアルゴリズムも異なります。
TurboCAD v26には、ベジエ曲線とスプライン曲線があり、さらにスプライン曲線には「制御点によるスプライン曲線」と「通過点によるスプライン曲線」という機能があります。

まず最初に、上の図のような左右対称の放物線のような図形を例にしてみます。
図の1から5までの緑色の点を「制御点」として左側から順に、ベジエ曲線・制御点によるスプライン曲線・通過点によるスプライン曲線の3種類の曲線を描いた場合は

ベジエ曲線は、制御点の始点・中間点・終点の全てを通過した曲線になりました。(上の図)

制御点によるスプライン曲線は、始点と終点は制御点と位置は変わっていませんが、中間の制御点(2から4)の位置は制御点とは異なり、外側にある制御点に「引き寄せられる」形状になっています。

通過点によるスプライン曲線は、始点と終点は制御点に固定され、ベジェ曲線と同じような曲線を描きました。
(図の水色の曲線がベジェ曲線です)
制御点が鋭いZ型の場合

次は制御点の位置を、鋭いZ型に配置した場合です。制御点はZの文字を描く順番で1から4までの4点になります。

ベジェ曲線は、全ての制御点を通過しながら、緩い逆向きのS型になりました。

制御点によるスプライン曲線は、起点と終点の制御点は一致したまま、先ほどと同様に中間点2と3に引き寄せられる形状になりました。

通過点によるスプライン曲線は、起点と終点の制御点は一致していますが、中間点の角度はベジェ曲線よりも強い角度の曲線になりました。(図の水色の線はベジェ曲線です)
ベジェ曲線とスプライン曲線は円とは異なる

最期に、円を描く例ですがベジェ曲線とスプライン曲線は、基本的に円(真円・単曲線)とは一致しません。
上の図は「円」です。12時の方向を起点にして時計周りの順番で、1から4までの4つの制御点があるとします。
この順番でベジェ曲線とスプライン曲線を描いた場合

ベジェ曲線は、全ての制御点を通過していますが、僅かに円よりも内側の曲線を描いています。

制御点によるスプライン曲線は、全ての制御点に接していませんが、全ての制御点に引き寄せられた曲線です。

通過点によるスプライン曲線は、ベジェ曲線とよく似た曲線を描いています。
ベジェ曲線とスプライン曲線をうまく調整するには
CADやグラフィックソフトを使って、ベジエ曲線とスプライン曲線を形成するには
それぞれソフトごとに異なるアルゴリズムや制御点の扱い方が採用されていることを理解し、それぞれの曲線の機能や特性を理解することで思い通りの曲線を描きやすくなります。
また制御点の起点と終点が指定した位置に固定されていることで曲線全体の位置を制御するのに役立ちます。デザインやモデリングの際に特定の形状や配置を維持しながら、他の部分の調整や変更がしやすくなります。
使用するソフトウェアによってことなりますが、中間部分の曲線は制御点や通過点、角度など、バランスを整えながら修正することも可能です。