
外構や玄関周りのコンクリートブロック塀や目地、タイル、レンガ、インターロッキング、モルタルなどに、白い粉が付着していませんか?

ちょっと見栄えが気になりますよね。
白い粉が目立つと美観が損なわれ、ブロックの色むらが気になることがありますが、これは工事の施工不良や使用した材料の品質に問題があるのではなく、「白華(エフロレッセンス)」と呼ばれる現象です。
この記事では、白華の発生メカニズムとメンテナンスについて解説しています。
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白い粉の正体は炭酸カルシウム
コンクリート製品やモルタル(以下:ブロック)の表面に付着している白い粉の正体は炭酸カルシウムです。
この炭酸カルシウムは「無害」ですが、その発生メカニズムは理科的なものです。
セメントの白華メカニズム
酸化カルシウム(CaO)+水(H2O)→水酸化カルシウムCa(OH)2
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)+二酸化炭素(CO2)→炭酸カルシウム(CaCO2)+水(H2O)
ブロックの表面には、白い粉が付着したままになります。
ブロックに白華が発生する外的要因
白華が発生する外的要因には、主に時間や水分、温度、施工条件などの影響があります。
時間による影響
新しいブロックに含まれるセメントの成分は反応が進みやすいため、新品の資材を購入する際に、表面が白くなっていることもあります。
水分による影響
ブロックに含まれる酸化カルシウム(CaO)が周囲の水分(H2O)と反応し、炭酸カルシウムとなり、白華が発生します。水分は空気中に気化してなくなるため、白い粉だけがブロックの表面に付着します。
湿度と施工条件
白華が発生する要因のうち、湿度と施工条件に関わる大半は「水分」です。雨や散水などによってブロック周辺に水分が溜まりやすい場合、湿度が高い時期に工事を行った場合も白華が起きやすくなります。

白華現象には、いくつかの要因が関係しています。
ブロックの白華現象を防ぐ施工前の準備
白華は後から対処可能ですが、予防のためには工事前に「水が溜まらない設計」を心掛けましょう。

まずは施工段階での予防策です。

歩道や駐車場など地面にブロックを敷設する場合は、ブロックの表面に水が溜まらないように1.5%~5.0%の表面排水(勾配)が必要です。ブロック基礎下にコンクリートを打設する際は、水が路盤の下に浸透しにくい場合は排水パイプや暗渠の設置を検討してください。
コンクリートブロック塀や目地モルタルに発生する白華を抑制するためには、ブロックに雨水の影響を受けにくくする笠木の設置や、湿気を防ぐ事前の工事も考慮する必要があります。
白華を除去する方法
ブロックに付着した白い粉はアルカリ性の炭酸カルシウムです。

どうしても白華を目立たせたくない場合に
白華による粉は、水をつけないブラシやたわしで擦るだけでもそれなりに粉を除去できます。
粉を除去したい場合は、酸性の洗剤(クエン酸など)や白華専用の洗剤を使用して炭酸カルシウムを中和させ、洗い流すことも可能です。洗剤を使用する際は、周辺の動植物への影響や排水の悪影響を避け、ブロックの変色の原因とならないよう、事前に狭い範囲でテストを行なってください。また、作業時には保護具(手袋・保護めがね・マスクなど)を着用してください。