
はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
土工法面(どこうのりめん)は、建設現場でよく見られる地盤の崩壊を防ぐための重要な要素です。地盤が急角度で切り立っている部分は非常に危険で、土砂の流出や高低差の問題が発生しやすいです。このような部分を法面と呼び、法面整形というプロセスで整えます。

法面の勾配
法面の勾配は、土砂の盛土部分(盛土)や地盤の掘削部分(切土)の特性によって異なりますが、基本的な勾配は1:nです。ここでのnは定数で、通常メートル単位で表現します。

nの値が小さい場合:勾配が急で直角に近い。
nの値が大きい場合:勾配が緩やかで平坦に近くなる。
法面の勾配は、横断方向に1:nまたは角度で表現され、通常%で表すことはありません。
土工事の名称

土工事において、法面の傾斜部分にはいくつかの名称があります。法面の上部は「法肩(のりかた)」、下部は「法尻(のりじり)」と呼ばれます。これに似たような名称として、道路の端部にある部分を「路肩(ろかた)」と呼び、通常アスファルト舗装の外側に盛土や切土を行います。
また、法肩から法尻までの長さを「法長(のりなが)」と呼び、法長を計算によって導くには
法長(L)= √ ((高さ(H)^2 + 幅(W)^2 )を使用する事も可能です。(単位:m)
具体的な勾配例
以下に、いくつかの具体的な勾配の例を示します。
法面勾配1:1の場合

勾配1:1:法肩から法尻までの高さと幅が1.00mで、角度は約45°となります。
法面の計算が容易で、法尻または法肩から、同じ高さと幅の値を使用するだけですぐに計算できます。
法肩から法尻までの高さや土質にもよりますが、多くの建設現場では1:1の勾配が基本となります。
また法面の長さが極端に長い場合、法面の中間に「小段」と呼ばれる平坦な部分を設ける場合があります。
法面勾配1:0.5の場合

勾配1:0.5:高さ1.00mに対して幅が0.50mで、角度は約63°となります。
法面としてはかなり急な勾配となるため、高低差のある箇所では一般的に用いられることはなく、畦畔盛土などのように高さ30cm程度の盛土や切土の際に採用される勾配です。
また、この急角度はコンクリート護岸や法枠ブロックなど、法面の表面を補強する工事に用いられることがありますが、高低差のある敷地の段差を補強工事なしで行なうのは土砂崩壊のおそれがあるためおすすめできません。
似たような勾配では、1:0.75や1:0.3などもありますが、暗渠掘削や配管掘削など、一時的な掘削に用いられることの多い勾配で、土砂の流出のおそれのある箇所の切土や盛土に用いられることは滅多にありません。
法面勾配1:1.5の場合

勾配1:1.5:高さ1.00mに対して幅が1.50mで、角度は約34°となります。
法肩と法尻の高低差Hに対して幅は1.5倍となるため、法面の計算はやや複雑になります。
法面勾配1:2.0の場合

勾配1:2:高さ1.00mに対して幅が2.00mで、角度は約27°となります。
これらの勾配は、地盤の安定性に応じて選択されます。分かりやすい例として、盛土部分や河川の土手にはよく見られる勾配です。
注意事項
法面勾配が1:2は比較的緩い法面勾配ですが、横断方向に重機や車両が走行するのは危険です。
高低差を安全に解消するためには、より緩やかなスロープ設置が必要です。
以上が、土工法面とその勾配についての基本的な説明です。建設現場での安全性と効率性を確保するために、適切な法面勾配の計画と整形が非常に重要です。