

はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
EXCELやPowerPointなど(Microsoft Office 2016などの製品)には3Dモデルを挿入する機能があります。
EXCELではオンラインから利用できる3Dモデルやアニメーションモデルを、シート上に表示することも可能で、自作の3Dモデルも挿入することもできます。
今回は、CAD(TurboCAD)を使ってオリジナルの3Dデータを作成し、EXCELに貼り付ける方法を解説しています。
この記事を読むことで、2Dの図面(パスデータなど)を立体的に加工したり、オリジナルな3Dモデルを作成してEXCELに貼り付けることができるようになります。
また、記事の後半に「サンプルの3Dモデルデータ」を用意していますので、EXCELをお持ちの方は無料でダウンロードしてご利用頂けます。
なお、この記事でCtrlや折れ線などキーボードを模した表示は、ソフト操作時のボタンやアイコン・機能などを指しています。実際にこの記事を見ながら操作する際にお役に立てれば幸いです。
この記事における作業の流れ
3DCADや3Dモデリングソフトを使い、3Dモデルを作成します。
保存形式はEXCELに対応した保存形式を使用します。
作った3Dモデルを、EXCELの図形として読み込みます。
レイアウトや光・影などの調整を行います。
EXCELに挿入できる3Dデータの保存形式
まず、EXCELに挿入できる3Dデータの保存形式について説明します。
EXCELには、3DCADや3Dモデリングソフトと互換性のある3Dファイル形式があります:
Filmbox(.fbx)
Object(.obj)
3D Manufacturing(.3mf)
ポリゴン(.ply)
StereoLithography(.stl)
バイナリ GL Transmission(.glb)
3Dデータを作成できるソフト
3DCADや3DCGソフトでは、先ほどの保存形式を使用できるものが多いです。
この記事では「TurboCAD v26」を例にして、CAD初心者でも分かりやすい方法で3Dオブジェクトを作成しています。
興味を持った場合は、フリーの3DCADやBlenderなどの3Dモデリングソフトをダウンロードしてみることもおすすめです。
TurboCADのグリッド機能を使います
3DCADを使用すれば、あらゆる形状の3Dモデルを作成できますが、
今回は3Dモデルのお試しということで分かりやすくするために、グリッドを「方眼紙やマス目」の代わりに使用して、ドットのような3Dモデルを作成してみたいと思います。

まず、TurboCADを起動してグリッドを表示します。
(上の図では、上側のアイコンが水色になっている部分がグリッドのアイコンです)
画像には「16×16」の四角形が表示されていますが、大きさは適当で構いません。
(この例では16ドットをイメージした図形を描いて分かりやすくしています)
マウスのスナップはグリッドを使い、矩形を使って四角の枠を描いておきます。
※「矩形」は「くけい」と読みます。(「きょけい」ではなく)
この枠は、どれくらいの大きさに収めたいのか「目安」として先に描いていますが、無くても問題ありません。
ドット風のハートを「折れ線」を使って作図する

次に線のメニューから折れ線を選択します。
引いた線が分かりやすいように、赤色や青色など、お好きな色を選択してください。
マウスのスナップが効いていることで、カーソルはグリッドに吸着されやすくなります。
また、今回のサンプルでは「ドット」を意識してカクカクした形状にしていますが、斜めや曲線を使用しても構いません。
折れ線のポイントをやり直したい場合はマウス右クリック→1ステップ戻すを使います。
カーソルを自由な位置に合わせたい場合は、グリッドのスナップを解除して下さい。
ハートの形状が1周したら、折れ線を最初の点に繋げるかマウス右クリック→閉じるを選択します。
2Dの「閉じた面」を3Dに変換します

この折れ線を使って作成したハートは2Dの「閉じた面」です。
今回は、2Dの図形を3Dに変換する方法として「厚さ」を与える機能を使います。
ハートの図形を選択を使って選択後、マウス右クリック→プロパティを選択します。

図形のプロパティが表示されたら、左側のメニューから3Dを選択し、厚さを入力する部分に適当な数値を入力します。今回は10(mm)と入力してみました。
※Turbocadでは、厚さが0以外の図形は3D図形として認識されます。また厚さはマイナスでも扱いは同じです。
2Dの折れ線が3Dモデルに変換されました

画像では、ハート型の図形に色がついただけに見えますが、この図形は3Dモデルに変換されています。
画面右上のあたりに「コーヒーカップ」のようなアイコンが選択されていることに注目してください。
3Dモデルは、閉じた面に厚さを与えた立体の図形です。折れ線は線、「閉じた折れ線」は面、「厚さを与えた面」はすべての面を塗りつぶすことができるようになります。
(TurboCADを起動した段階では、陰線処理が自動で選択されています)
このアイコンは、図形がどのように表示されるかを切り替えるアイコンで、色のついたコーヒーカップアイコンにはドラフトレンダリングとクオリティレンダリングがあります。

ハートの図形が立体的に変化したのかを確認するために、今度は陰線処理とアイソメSEの方向で図面を表示しています。10mmの厚みのあるハートの立体図形ができています。
※作図に使用した「枠」は、消してしまっても構いません。
3Dモデルが完成したら、EXCELで読み込める保存形式を使って、任意の場所に保存して下さい。
EXCELでオリジナルな3Dモデルを読み込む

この記事ではここが本番です。
先ほど作成した、3DモデルをEXCELで読み込んでいきます(挿入する)
操作は簡単です。
EXCELを起動したら、挿入→図→3Dモデル→このデバイスから→保存した3Dモデルのデータを選択します。

EXCELのシートに、先ほど作ったハートの3Dモデルが挿入されました。
(上の画像では3Dモデルに艶が出ていますが、設定で消すこともできます)

3D図形の向きや大きさは、図形中央に表示されている回転マークやポイントを調整してください。
図形の影やアウトラインなどを修正したい場合は、EXCEL上で図形を選択しマウス右クリック→3Dモデルの書式設定を使います。
ドットマリオも3Dモデルで作成してみました
CADを使った3Dモデルの製作は、ドットのハートだけではありません。
奥行きのある建物や、車などもっと精密な3Dモデルを作って挿入することも可能です。

今回は、色々な形状や色を組み合わせて、ピンク色のマリオを作ってみました。
(絶対に任天堂から叱られるタイプの画像)
先ほどと同様に「折れ線」を使い、2D図形に厚さを与えた立体モデルです。
このときCAD上で、木目やガラス・金属などのマテリアル、テクスチャなどを3Dモデルに組み込むことも可能です。

EXCELに挿入した3Dモデルは、角度や大きさ、光や影などを調整したり、数式やグラフなどと組み合わせることもできます。
ドットのハートとピンクのマリオの3Dモデルをダウンロード
この記事で紹介したサンプルデータは無料でダウンロードできます。
データをEXCELに挿入するサンプルとしてもご利用いただけます。
ピンク色のマリオは、絶対に任天堂から叱られるタイプの3Dデータですが、こちらからダウンロードできます。↓
(データは無料ですが、再販は行わないでください)
データはZIP形式で圧縮していますので、ご利用の際はファイルを展開してお使いください。
3Dデータの保存形式はFBXを使用していますので、CADや3Dモデルソフトをお持ちであれば、色や形状の編集も可能です。