建設工事によって副次的に発生したものを、自由に譲ったり販売しても大丈夫でしょうか?また、現場から不法投棄されたゴミが出てきた場合、受注者は自腹を切ってゴミを処分しなければならないのでしょうか?この記事では、現場発生品に関するルールや注意点を詳しく解説します。
現場発生品とは?
現場発生品とは、建設現場での作業中に副次的に発生する物品や材料のことを指します。例えば、古い標識の撤去で生じた部材や、道路工事で掘削中に出てきた砂利や砕石などがこれに該当します。これらは一見価値のあるものに見えるかもしれませんが、法律や契約に基づいた適切な管理が必要です。

再利用可能なものは、建設リサイクル法などが該当します。
公共工事における現場発生品の取り扱い
現場から発生したものを受注業者が自由に扱って良いかと言われると、答えはNOです。現場発生品は、基本的に発注者の所有物とみなされます。以下に具体例を挙げます。
- 古くなった標識の撤去 古い標識や部材を受注業者が他人に譲渡したり、転売することは通常許可されていません。
- 掘削で発生した砕石(砂利) 道路工事などで発生した砕石を、受注者が資材として再利用することは契約上問題になる可能性があります。多くの場合、これらは残土として計上されます。

窃盗や横領罪、契約違反による損害賠償請求
行政処分などの罰則が生じる可能性もあります。
民間工事での現場発生品のルール
公共工事に限らず、民間工事においても現場発生品は基本的に発注者の所有物とされています。予期せず価値のあるものが発生した場合でも、受注業者が勝手に処分したり再利用することはトラブルの元になります。発注者に報告し、適切な対応を相談することが重要です。

民間工事では発注者と受注者が、契約時点では明確な取り決めを
行っていないケースもあり、双方の認識にギャップがある場合も
現場からゴミが出てきた場合の対応方法
現場から発生するものは、価値のあるものだけとは限りません。以下のようなケースも想定されます。
- 埋め立てられていたゴミ 過去に埋め立てられたゴミやコンクリート塊、アスファルトなどが発見される場合があります。
- 対応方法
- 発見したものを写真やデータで記録。
- 発注者に報告し、指示を仰ぐ。
- 契約内容に基づいて処理を進める。
受注者が自費でゴミを処分する必要はなく、契約範囲内での対応が原則です。また、発生したゴミを別の場所に埋め立てることは違法行為に該当するため、適正な方法で処分する必要があります。

予期していなかったゴミであっても、個人・法人問わず
廃棄物処理法に基づいて、適正に処分する必要があります。

ゴミが発生した場合は、発注者と受注者間でゴミの処分方法を決め
廃棄物処理業者(収集運搬など)によって適正に処理します。
現場発生品の処分方法は契約に基づく
現場発生品の取り扱いは、発注者との契約内容に基づいて決定されます。以下の点を確認してください:
- 現場発生品の所有権に関する契約条項。
- 発生品の処分方法や再利用の許可条件。
- ゴミ処理費用の負担についての取り決め。
予期していなかった現場発生品への対応
工事中に予期しなかったものが発生した場合、以下の手順を踏むことが推奨されます。
- 発生品の詳細を記録(写真・データ)
- 発注者と速やかに打合せを行い、対応方針を決定。
- 合意の上で適切に処分または再利用を進める。

このような対処法が、双方にとって最適解です。
現場発生品処理のポイントまとめ
- 現場発生品は原則として発注者の所有物。
- 処分や再利用は契約内容に従うこと。
- 予期せぬものが発生した場合は、必ず発注者に報告し判断を仰ぐ。
- ゴミ処理は適法に行い、不法投棄は厳禁。
建設現場での適切な現場発生品の管理は、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな工事進行に繋がります。この記事を参考に、現場での実務に役立ててください。
補足:家の掃除や片付けなどの依頼でも発生品の所有者は発注者

ここから似た内容の補足です。
作業服やトラックは、建設業に似てるけど・・・
1.片付けで出た不用品の無断売却
- 例:知人や業者に片付けを依頼した際、その人が家の不用品を勝手にリサイクル業者やネットオークションで売却。
- 問題点:所有権が依頼主(家の持ち主)にあるため、無断で売却する行為は窃盗罪または横領罪に該当します。
- 対策:
- 不用品の扱いについて事前に取り決める。
- 必要に応じて書面で合意(契約書や確認書)を交わす。

なんで掃除や片付け業者が、他人の物を無断で売るの?
そんな場合は、契約内容や許可証をチェック。
2. 掃除中に見つかった現金や貴重品の持ち去り
- 例:大掃除の際に古いタンスや収納から現金や貴金属が発見され、それを依頼者に知らせず持ち去る。
- 問題点:これも所有権が依頼主にあるため、窃盗罪に該当します。
- 対策:
- 掃除や片付けの前に、貴重品や現金が出た場合はすぐに報告するルールを明確にする。
- 信頼できる業者に依頼することが重要。

やってることは犯罪ですね。
そもそも掃除をしに来て、ダンスを開けるのはなぜ?
3. ゴミの不法投棄
- 例:片付けで出たゴミを依頼した業者が正規の処分方法を取らず、山林や路上に不法投棄。
- 問題点:廃棄物処理法違反に該当し、依頼主がその事実を知らない場合でも、一部責任を問われる可能性があります。
- 対策:
- ゴミの処分について事前に確認し、適正な処分を証明できる業者に依頼する。
- 産業廃棄物処理業者である場合、マニフェスト(廃棄物処理の記録)を求める。
4. リフォームや引っ越し時の「現場発生品」の扱い
- 例:古い家具や建材を取り外した後、業者が「どうせいらないものだろう」と勝手に再利用や売却。
- 問題点:これも所有権の無断侵害となり、問題になる可能性があります。
- 対策:
- 取り外した家具や建材の処分方法を、事前に発注者と業者で取り決める。
- 買取やリサイクルを業者が提案する場合は、明確な同意を取る。
5. 「黙っていてもバレない」という認識がトラブルの元
家の片付けや掃除では、「依頼主は気づかないだろう」と思い、不用品や貴重品を勝手に持ち出すケースがありますが、後々発覚した場合は依頼主との信頼関係が完全に崩壊します。

遺品などの処分でも、発注者・受注者どちらも
責任をもって、連絡は密に行いましょう。