古いパソコンの調子が悪くなったとき、まず考えるのは「新しいパソコンに買い替える」ことかもしれません。
しかし、故障しているのがパソコン本体ではなく、一部の部品だけだったらどうでしょうか。
今回、地元の左官工事会社からパソコンを見てほしいと相談を受けました。
話を聞くと、ノートパソコンの一部の文字が入力できなくなったとのこと。
最初はNumLockなどの設定が原因ではないかと思いましたが、実際に確認してみると、いくつかのキーそのものが反応していませんでした。
そこで今回は、パソコン本体を買い替えたり分解修理したりするのではなく、約2,000円のUSBキーボードを追加することで、今まで使ってきたパソコンをそのまま使えるようにすることにしました。
これは、古い機材を別の方法で再利用する「MCON Rebuild」の一例です。
地元の建設業ではパソコンが必ずしも得意とは限らない

私はこれまでにも、地元の建設会社から「パソコンに詳しいから見てほしい」と相談を受けることがありました。
パソコンの修理だけではありません。
- 古いインクジェットプリンターのノズル詰まり
- パソコンが起動しない
- 不要なソフトやデータの整理
- パソコンの買い替え相談
など、何度か会社へ足を運んでいます。
今回の会社は、左官工事を専門にしています。
従業員も複数いますが、仕事の中心はもちろん現場での左官作業です。
パソコンを使う機会はそれほど多くなく、スマートフォンの操作も何とかできる程度。
それでも会社を運営するためには、見積書を作ったり、写真を印刷したり、書類を管理したりする必要があります。
つまり、最新のパソコンを使いこなすことが目的なのではなく、必要な仕事ができることが重要です。
今回はノートパソコンの文字が打てない
ある日、社長から「パソコンの調子が悪いので見てほしい」と電話がありました。
詳しく聞いてみると、
「キーボードで文字が打てない。」
とのこと。
すぐに原因を断定することはできませんでした。

そこで数日後、実際に会社へ行って確認することにしました。
NumLockなどの設定が変わっているだけなら、ボタンを切り替えるだけで直る可能性もあります。
使っていたのは長年使用しているWindows 7のノートパソコン
この会社では、かなり以前から同じノートパソコンを使い続けています。
OSはWindows 7。
現在では非常に古い環境ですが、この会社では特殊な使い方をしているわけではありません。
2D・3D CADを使うわけでもありません。
グラフィック制作をするわけでもありません。
大量の写真を加工するわけでもありません。
主な用途は、
- 見積書の作成
- 簡単な計算
- 写真の確認
- 写真の印刷
- 年賀状などの印刷
といったものです。
以前から私が不要なデータやソフトを整理したり、パソコンの動作を軽くするための調整をしたりしていました。
そのため、パソコン自体は今でも十分に動作しています。
問題は、どうやらキーボードでした。
まずNumLockを確認
パソコンを確認すると、NumLockのランプが点灯していました。
NumLockは、キーボードの一部を数字入力用に切り替える機能です。
以前にも同じことを説明した記憶がありましたが、まずはこのボタンを切り替えて入力状態を確認しました。

しかし、NumLockを切り替えても、どうもおかしい。
デスクトップに保存されていた見積書を開いて、実際に文字を入力してみました。

すると、いくつかのキーがまったく反応していません。
どうやら設定の問題ではなく、キーボードそのものに問題があるようです。
実は社長は「コピー&ペースト」で対応していた
ここで社長に話を聞いてみると、さらに面白いことが分かりました。
反応しない文字については、別の文書から文字をコピーして、何とか入力していたそうです。
つまり、キーボードが壊れているけれど、パソコン自体は動く。だから、
使えない文字だけ別の場所からコピーして使う。
という方法で、しばらく仕事を続けていたわけです。
一見するとかなり不便ですが、本人にとっては「今まで使えていたパソコンをそのまま使える」というメリットがあります。
ここで私は、
「パソコンを買い替える必要はないのでは?」
と考えました。
新しいパソコンを買う必要があるのか?
もちろん、方法はいくつかあります。
例えば、新しいノートパソコンを購入する。
現在なら10万円から20万円程度の予算を考えることになるかもしれません。
あるいは、古いノートパソコンを分解してキーボードを清掃したり、部品を交換したりする方法もあります。
しかし、今回の会社の場合、そこまで大掛かりなことをする必要があるのか疑問でした。
長年使ってきたWindows 7のパソコンで、見積書を作る。
写真を印刷する。
年賀状を作る。
それができれば十分です。
新しいパソコンを購入すると、性能は大幅に向上するでしょう。
しかし、それと同時に操作方法も変わります。
今まで使ってきたソフトがそのまま使えるとは限りません。
新しい環境を覚える必要もあります。
特にパソコンに慣れていない人にとっては、「新しいから便利」とは限りません。
USBポートが空いていた

そこでノートパソコンを確認すると、幸いUSBポートに空きがありました。
これなら外付けのキーボードを接続できます。
本体のキーボードを修理するのではなく、
新しいキーボードを外付けしてしまう。
非常に単純な方法です。
社長に、
「2,000~5,000円くらいのUSBキーボードを買ってきて、それをつなげれば使えるかもしれません。」
と伝えました。
すると、
「それだけで直るなら助かる。」
とのこと。
新しいパソコンを買うより、はるかに話が簡単です。
近所でUSBキーボードを探してみる
予算は特に決めず、社長のパソコンに合いそうなものを探すことにしました。
地方でこうした機器を探す場合、インターネット通販だけでなく、実際に近所の店舗を回ってみるのも一つの方法です。
そこで、会社から近い順に探してみることにしました。

私が考えた外付けキーボードは、USB接続でテンキーあり
(無線やマウスは不要)予算は2千円前後です。
地方におけるキーボード購入のRTA(どれくらいの時間で買って戻れるかタイムアタック)のようなイメージですね。
1軒目:DCMホーマック
最初に向かったのは、会社から最も近いホームセンターです。
事務用品やOA機器も少し扱っていることを知っていたので、キーボードもあるだろうと考えました。
実際、キーボードはすぐに見つかりました。
ただし、価格は5,000円ほど。
テンキーがなく、電池を使用するタイプでした。

キーボードの電池は数年持ちますが、個人的に予備を置いておくのが面倒ですし、高齢者の社長が電池が切れた時に困るのではないかと考えました。電源はUSBから取りたいですね。
USB接続には対応している可能性が高そうでしたが、今回の用途を考えると少し違います。
社長の仕事では数字を入力する機会も多いため、テンキーがあった方が使いやすい。
そこで、今回は購入せず次の店へ向かいました。

ここで買わずに店を出るまで7~8分ほどかかっています。
2軒目:JUSCO
次に向かったのは近所の大型店舗です。
テレビや家電なども少し扱っているため、キーボードが置いてあるかもしれないと思いました。
しかし、電卓やテプラなどはあったものの、キーボードは見つかりませんでした。
ここも今回は見送りです。

食品や衣類はたくさん売っているんですが
OA機器には力を入れていなかったです。
そもそもそんなに買いに来る人もいないですから。
ちなみにゲームはちょっと売ってますよ。
RTA的には店内を探し回って10分ほどロス。
3軒目:コメリ
続いて、少し離れた場所にある小型のホームセンターへ。
ここも電卓やOA機器などを扱っていることがあるため、期待していました。
ところが、少し前に商品の入れ替えがあったらしく、キーボードは置いてありませんでした。
ここでも購入できず。

コメリの場合、農作業や建設用の工具など
たまに珍しいものを置いていることがあるんですが
さすがにキーボードは売っていませんでした。
やや離れたところにお店があるため、弘前に向かうため車で20分ほど戻ることになりました。
4軒目はヤマダ電機(確実にキーボードは売っている)
最終的に向かったのは、弘前にある家電量販店です。
会社からは30分ほど離れています。
さすがに家電量販店だけあって、キーボードの種類は豊富でした。
今回、最初から候補に考えていたのはELECOMのキーボードです。
条件は、
- テンキー付き
- 電池不要
- USB接続
- 日本語配列
- Windows 7でも使えるもの
- できるだけシンプル
- 高価すぎない
というもの。
ゲーム用の高性能キーボードは必要ありません。
仕事で見積書を作るためのキーボードなので、必要なのは「確実に入力できること」です。
黒いパソコンには白いキーボード
ここで色についても少し考えました。
社長が使っているノートパソコンは黒色です。
そこで、入力する文字が見やすくなるように、今回は白いキーボードを選びました。
価格は約2,000円。
>> ELECOM USB有線キーボード(ホワイト)TK-FCM062WH
WindowsXP~10まで対応で電池不要
最初に見た5,000円ほどのキーボードより安く、今回必要な条件も満たしています。
これなら十分です。
キーボードを購入して、再び会社へ向かいました。

キーボードは購入のRTA(タイムアタック)的には
最終的に、会社に戻るまで2時間ほどかかってしまいました。
帰り道に気になったこと

購入した後、会社へ戻る途中で、
「本当にUSBポートは大丈夫だろうか?」
と少し気になりました。
キーボードを買ったのはいいものの、もしノートパソコン側のUSBポートまで壊れていたら使えません。
また、
「机の上に外付けキーボードを置くスペースはあるだろうか?」
ということも気になりました。
実際に接続してみるまでは、完全には分かりません。
新品のパソコンを注文して終わり、というのとは違って、こういう小さな不確定要素があるのもDIY的な作業の面白いところです。
会社に戻ってUSB接続
会社に戻ると、社長は庭木の枝を切っていました。
購入してきた白いキーボードを見せると、とても喜んでくれました。
さっそくノートパソコンのUSBポートに接続します。
最初の2秒ほど、何も反応がありません。

「あれ、認識しないのかな?」
と思いました。

ところが、少し待つとキーボードのランプが点灯しました。
無事に認識しています。(Windows7ノートパソコンが復活しました)

あとでわかったんですが、このキーボードはPlaystation3,4
Wii,WiiUにも対応しているそうです。
キーはフラットタイプではなく、凹凸がしっかりしていてストローク深めが好きな人におすすめですね。
すべてのキーを確認
あとは実際に入力できるか確認します。
文字キー。(日本語変換も)
数字キー。
テンキー。
Enter。
Shift。
記号。
見積書を作るために必要なキーを一つずつ確認していきます。

動作確認の結果は問題なし。
見積書など、テンキー入力作業が多い人にも使いやすいですよ。
すべて正常に入力できました。
しかも、ノートパソコン本体のキーボードと新しいキーボードの配列もよく似ています。
(矢印やテンキー、ファンクションキーなどの間隔が少し広くなった程度)
社長が今まで使ってきた日本語配列の感覚を、そのまま維持できます。
私は普段英語配列のキーボードを使っているので、かな入力や変換キーがある日本語配列を見ると少し違和感がありますが、社長にとってはこちらの方が自然です。
10万円以上の買い替えをしなくても済んだ


この有線USBキーボードは
WindowsXP~10まで対応していることが安心材料でした。
今回の問題を解決する方法はいくつかありました。
- パソコンを新しいものに買い替える。
- 専門業者に修理を依頼する。
- 古いノートパソコンを分解して清掃する。
そして、
USBキーボードを追加する。
今回選んだのは最後の方法でした。
約2,000円のキーボードを接続するだけで、これまで使ってきたパソコンをそのまま使えるようになりました。
もちろん、すべての故障がこの方法で解決するわけではありません。
しかし、
「パソコンが古い」「キーボードの一部が壊れた」=「パソコンを買い替える」
とすぐに考える必要もないということです。
古い機材を使い続けるという選択
今回の会社では、2D・3D CADなどの高度な処理を必要としていません。
見積書を作り、簡単な計算をして、写真を印刷する。
その仕事ができるなら、現在のパソコンを使い続けるという選択肢があります。
特に長年使ってきたパソコンでは、性能だけでは判断できない価値があります。
どこにファイルが保存されているのか。
どのソフトを使えばいいのか。
どのボタンを押せばいいのか。
そういったことを本人が覚えているからです。
新しいパソコンに買い替えれば、機械そのものは新しくなります。
しかし、使う人にとっては「覚え直す」というコストも発生します。
古いWindowsを使う場合は注意も必要
ただし、今回の事例をそのまま「Windows 7を現在も使うことがおすすめ」という話にするつもりはありません。
Windows 7は現在の一般的な利用環境としては古く、セキュリティ面で注意が必要です。
特にインターネット接続や重要なデータを扱う場合には、現在サポートされているOSへの移行を検討する必要があります。
今回の場合は、長年使ってきたパソコンを限定された用途で使用しており、目的が見積書作成や印刷などに限られていたため、「今すぐすべてを買い替える必要があるのか」を考えました。
重要なのは、
古いものを無条件に使い続けることではなく、その機材を安全に使える範囲と用途を考えること
だと思います。

ちなみにヤマダ電機でキーボードを買う際に目に入ったパソコンは
DELLのAlienwareでした。高スペックなので桁が違いますが、参考までに。最近のパソコン(ゲームや動画編集などもこなせる能力がある)だと、50~100万円ほど。通常の事務作業でデスクトップパソコンの購入を検討しているなら、10~30万円のパソコンで十分です。(Windowsオフィスが入っているものがおすすめ)
地方では「消耗品が買えるか」も問題になる
建設会社のパソコンを見ていると、パソコン本体だけではなく、プリンターのインクなども問題になります。
私自身、これまでインクジェットプリンターを何台も使ってきました。
古いプリンターを使い続けていると、ある時から近所のお店で対応するインクが売られなくなることがあります。
インターネット通販なら、古い機種のインクが見つかる場合もあります。
しかし、高齢者が必ずしもネット通販を利用できるとは限りません。
その場合は、
- 店頭で定期的に購入しておく
- 店に取り寄せてもらう
- 使える消耗品が手に入るうちに確保する
といったアナログな方法も役に立ちます。
最新の機材を導入することだけが便利さではありません。
その地域で、その人が、その後も使い続けられること。
それも機材選びでは重要な条件だと思います。
古いものを使い続ける人は意外といる
以前、私が持っていた古いMacintoshをメルカリで売ったところ、予想していたよりも早く買い手が見つかりました。
古いパソコンを探している人は、思っているよりも多いのかもしれません。

話によると、マッキントッシュのキーボードメーカーにもこだわりがあるらしいですよ。(どの国で作られたとか)
また、古いパソコンを長年使い続け、グラフィックソフトなどを使いこなしている高齢者が話題になったこともあります。
パソコンが遅くても、
「これくらいの速さが普通」
と思って使っている。本人にとっては、それで困っていない。
外から見ると「古いパソコン」でも、使っている本人にとっては十分に役に立つ道具なのです。
新しいものを買う前に、別の使い方を考える
今回の出来事を通して感じたのは、故障した機材を見るときに、
「直すか、買い替えるか」
の二択にしなくてもいいということです。
例えば今回なら、パソコン本体を直す。ではなく、
壊れている部分を使わない。という方法を選びました。
これは建設現場でも似たような考え方があります。
すべてを新品に交換するのではなく、
使える部分を残す。
必要な部分だけ補修する。
別の部材で代替する。
用途を変える。
そうやって現場の条件に合わせていくことがあります。
2,000円のキーボードから始まるRebuild(リビルド)
今回のパソコンは、最新のスペックを持っているわけではありません。
それでも、まだ仕事に使える。
だからこそ、買い替える前に別の方法を考えてみました。
結果として、必要だったのは約2,000円のUSBキーボードでした。
古いパソコンを無理に最新機種にするのではなく、
今ある機材に足りないものだけを追加する。
これは非常にシンプルですが、案外合理的な方法です。
MCOONでは、こうした「まだ使えるものを、別の方法で現代に残す」ことを、Rebuildという形で記録していこうと思っています。
古いREGZAをゲーム用ディスプレイとして再利用したり、中古のレーシングコントローラーを建設系の工具や材料で固定したり。
新品を買い揃えるだけではなく、身近にあるものを見直してみる。
そこから意外な使い道が見つかることがあります。
今回のWindows 7ノートパソコンも、その一例でした。



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