
はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
建築工事・土木工事の設計図面の基本

製図基準はCADを使用した製図に用いられます
近年、図面の作成(製図)は従来の手書きのものから
コンピュータを使ったCAD「Computer Aided Design」が主流となっています。(CADは「キャド」と読みます。
データ化されたCAD図面は、手書きの図面と比べて修正や複製が容易で、データ共有や管理、3Dモデルや空間デザインが可能であるなどメリットがあります。
そして、この記事のタイトルにもあるように、製図基準はCADを使用して図面を描く時のもので
大まかにいうと、線の太さやテキストフォントなどを共通させるための基準です。
この記事は、主に建設系の製図・設計に関する内容をまとめたものなります。
CADを使用する業種
CADを使用する業種は多岐に渡ります。下に一例をあげます。
CADを使用する主な業種
- 建設業(建築・土木およびインテリア)
- 製造業
- 電気・ガス・熱供給・水道業
- 情報通信業
- 不動産業
- 学術研究、専門・技術サービス
- 医療・福祉
- 複合サービス
- 公務
などがあり、各業種に対応したCADソフトも存在します。
線の種類や表記の仕方など、各業種で共通しているものもありますが
当サイトでは、建設業種での設計・製図について、管理人の経験をもとに
書籍やインターネットなど一般公開されている情報と照らし合わせた情報を提供しています。
建設工事の設計・施工にかかわる主な基準
建設工事の設計図面には、統一した基準が設けられています。
製図基準に含まれる項目を、ざっと説明すると
- 図面用紙の大きさと方向・余白
- 図面の表題
- スケール(縮尺)
- 線種と太さ
- 文字(テキスト)
- 寸法線、リーダー
- レイヤ
- 図面の種類
厳密にはファイル名やCADデータの保存形式の扱いなど、細かいものも
基準のなかに含まれますが、この記事では省略させて頂きます。
図面用紙の大きさと方向・余白
建設工事の図面はA列が標準のサイズとなります。(A1又はA3)
A1の大きさまで必要でない場合は、A2・A3・A4サイズを使用します。
A列サイズの用紙と寸法(サイズ)は以下のとおりです。

また印刷した紙の図面には折り方のルールがあります。
公的機関にA1の図面を提出するときに、A1の大きさのまま手渡すことは滅多にありません。
A1・A2・A3サイズの図面を成果品として提出するときには
基本折り・ファイル折り・図面袋折りといった折り方でファイルに閉じます。
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図面の方向(方位)

製図に使用する用紙は、長辺を横方向に置いたものが標準(正位)となります。
また、図面の内容によっては正位を縦方向に使用することもできます。
図面には輪郭線と表題を設けます。
建築工事と土木工事の表題
建築工事と土木工事の表題は、工事名・スケール(縮尺)・図面番号等を記載します。
それぞれ表題の形状は異なりますが、標準的なものは以下の通りです。

なお、土木工事の表題は、用紙がA1の場合、幅100mm・高さ60mmの大きさが標準となります。
縮尺
縮尺は表題部分に記載します。
建築工事・土木工事のいずれも、1つの図面中に異なる縮尺の図がある場合
表題に記載する縮尺は「図示」と表記し、縮尺は個別の図ごとに記載します。
図面の線の種類と太さ、組合せの比率(A1の場合)

線の種類は、実線・破線・(点線)・一点鎖線・二点鎖線が原則となります。
また、線の太さは
極太線・太線・細線の3種類があり、013・0.18・0.25・0.5・0.7・1.4・2(mm)から選択できますが
上の図のように、組合せ①か②を使って作図しておけば間違いないでしょう。
図面の文字・テキスト
文字のフォントは、ゴシック体を標準とします。
CAD独自のフォントは、データ共有時に『文字化け』が起きる可能性があるため
なるべく使用しないようにします。
例えば「㎡」(平米)は「m2」と表記するなど、環境依存のある文字は図形や文字を組み合わせたものを使います。
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