

はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
2点の高さが同じ場合は「水平(LEVEL)」といいます
まず最初に、勾配計算と要素の基本として以下の図を用意しました。

2点の○部分(高さA・高さB)を横からみた場合です。
たかさAとBが、それぞれ()で囲まれた10.000mの高さだった場合、どちらも同じ高さですから
高さAとBは水平(LEVEL)ということになります。
この場合、距離(L)の長さにかかわらず、AとBの高さは同じ高さになります。
一般的に、高さや距離はmで表し、勾配iも基本的にmを基準に計算します。
建築図面では、1/50勾配などの表記をする場合もありますが、内容は同じです。
高さAとBの10.000mという値は「海抜何m」だと考えてもらっても差し支えありません。
測量で高さを扱う場合、厳密には「基準点」という高さを基準にします。
(高さの例として東京都渋谷は14.000m~33.000mほどらしいです。)
勾配iと図面の表記
前提として、勾配iは通常、百分率(%)で表します。
また勾配を図面などで表示する場合は→(矢印)の矢のついている先端側に向かって下がっていることを表し、矢印の始まり側が高くなります。
下の図では、距離は先ほどの例と同じく20.000mですが、高さAが10.000m・高さBが9.500mとなっています。

高さAよりも高さBの方が0.50m低いことになります。(0.50mは50cmです)
勾配iの求め方
勾配iの求め方は、高さの差を距離で割り、百分率(%)を掛けるだけです。
ここで注意するポイントは
高さA(起点側)よりも高さB(終点側)が高くなる場合は勾配iの値はプラス、低くなる場合はマイナスがつきます。
下の図のように、高さAよりも高さBが低くなる場合は-i(%)となります。(基本的にプラスは表記しない)

高さの差Hは、高さAよりも高さBが低くなっているので、H=-0.500(m)
高さの差 H=高さB-高さA
= 9.500 – 10.000
= -0.500(m)
勾配iを計算すると
勾配 i = H ÷ L × 100(%)
= -0.500 ÷ 20.000 × 100
= -2.50(%)
となります。

勾配の計算と高低差について、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめします。

「区間距離」と「追加距離」の違いを確認
では、中間点の高さはどのようにして計算するのでしょうか
下の図は、高さAと高さBの点の間に5.000mごとに4分割したものです。

20.000mを5.000mごと分割した場合、3つの点(緑色の○部分)
それぞれの高さ(①~③)を計算する必要があります。
区間距離と追加距離
高さAから、5.000m移動したときに高さ①、更に5.000m移動したところに高さ②がありますが
ここで注意するポイントは、高さ①~③までのそれぞれの区間は5.000mとなっていますが
この距離は、あくまでも「区間距離」というものです。
高さAから高さ①、②、③の距離は、それぞれ5.000mずつ増えていく必要があり
累計の距離「追加距離」を使って計算します。
少し紛らわしいですが、あくまでも高さAの位置と高さが基準になります。
高さ①・②・③までの追加距離は、それぞれ①5.000m・②10.000m・③15.000mになります。
そして、高さAから高さBまでの追加距離は20.000mとなり、先ほど勾配を計算したときの20.000mと同じになっている必要があります。
中間点の高さを計算するには
高さ①~③の高さを計算するには、先ほどの「勾配i」を使います。
勾配i= -2.50(%)でしたので
この数値を使って計算していきます。
数式で表すと
求めたい点の高さ = (勾配 i (%)× 求めたい点の追加距離 ) + 高さA
となります。
なお、勾配iは百分率で表記しているため、計算するときには数値を100で割っておきます。
高さ②の高さを計算するには
高さ②の高さ = (-2.50 ÷ 100(%) × 10.000m(高さ②の追加距離)) + 10.000m(高さA)
= -0.25 + 10.000
= 9.750(m) となります。
高さ②の位置は、高さAと高さBのちょうど真ん中ですので
高さA 10.000m
高さ② 9.750m
高さB 9.500m
つまり、高さAと高さBの値を足して2で割った数値と同じになるので確認しやすいと思います。
それぞれの高さを計算したときの値は?
高さの計算は、電卓や表計算ソフトや専門の計算ソフトなど、方法は何でも構いません。
以下の表が高さ①~③までの高さと、確認用として高さA・Bも表記したものです。

興味がありましたら、ぜひ計算してみて下さい。
※勾配iを100(百分率)で割るのをお忘れなく・・・
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