工事評価点向上のために、おさえておきたい7つの項目

工事成績点の7つの項目

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この記事では、公共工事における工事評価点向上のために、具体的にどのような取り組みを行えばよいのか解説しています。

工事評価点のチェック項目は7つ

工事の成績を評価する項目には7つあり、さらにいくつかの詳細が含まれています。
(以下の一覧は国土交通省のサイトで確認することができます。)
また( )内は項目ごとの評価点数の最大値を表し、全ての評価点の合計は100.0点になりますが、よほどのことがない限り100点満点がつけられることはありません。

1.施工体制(7.4)

施工体制一般(3.3)
配置技術者(4.1)

2.施工状況(33.6)

施工管理(13.0)
工程管理(8.1)
安全対策(8.8)
対外関係(3.7)

3.出来形及び出来ばえ(40.8)

出来形(14.9)
品質(17.4)
出来ばえ(8.5)

4.工事特性(7.3)

施工条件への対応(7.3)

5.創意工夫(5.7)

創意工夫(5.7)

6.社会性など(5.2)

地域への貢献など(5.2)

7.法令遵守等(評価点はありません)

工事成績点は、会社の取り組みを数値で表したもの

工事成績点は、主に公共工事において設定され、その会社が取り組んでいる具体的な取り組みを数値で評価し、公表している指標です。
これは現場ごとに評価が行われ、得点が付与される仕組みです。建設工事における様々な取り組みや労働環境の整備は、工事関係者への評価だけでなく、これを踏まえた結果として新たな顧客の確保や優秀な人材の獲得にも寄与します。

白い本とサボテン

1.施工体制の評価

施工体制の評価は、主に施工体制一般と配置技術者に焦点を当てて行われます。
工事設計書の理解や施工計画書の作成、施工体系に関する適切な対応がポイントとなります。具体的な評価基準は以下の通りです。

施工体制一般

提出された施工計画書の明確な内容
施工計画書には、作業分担、安全体制、下請け業者などの具体的で明確な施工体制が詳細に記載されていることが求められます。

計画書の実施確認
施工計画書に明示された内容が、実際の現場で適切に実施されているかが評価の基準となります。


人材と管理者の適切な配置
人材や管理者(責任者)が適切に配置され、施工計画書に記載された役割や責任が実際に遂行されていることが重要です。

適切なチェック体制の実施
検査やプロセスチェック、下請け業者の作業などに対する適切なチェック体制が行われ、その内容が書面で記録されていることが高く評価されます。

社内検査やプロセスチェックの記録
近年では、社内検査やプロセスチェック、下請け業者の作業に対する適切なチェック体制が書面で詳細に記録されていることが高い評価ポイントとなります。

配置技術者

作業主任者や専門技術者の適正な配置と記載
施工計画書において、作業主任者や専門技術者が適正に配置され、その配置が明確に記載されていることが期待されます。

現場代理人の役割と積極的なコミュニケーション
現場代理人が工事の内容や図面を把握し、積極的な打合せや技術提案ができることが加点対象となります。これは、工事の円滑な進行と品質向上に寄与します。

図面や書類の提出の遅れがないこと
図面や書類の提出がスケジュール通りであり、遅れがないことが評価されます。これは、計画通りの進捗や適切な意思疎通を保つ上で重要です。

下請けの施工体制台帳や安全書類の適正な管理
下請け業者の施工体制台帳や安全書類が適正に管理され、必要な情報が整備されていることが評価ポイントです。

施工条件への適応とその適切な対応
施工条件が変化する場合、それに対する適切な対応が行われていることが加点対象となります。柔軟性と適応力が評価されます。

2.施工状況の評価

施工状況の評価は、施工管理・工程管理・安全対策・対外関係の4つの要素が基準となります。

施工管理

出来形管理と品質管理
施工計画書に盛り込まれた出来形管理や品質管理が現場に実際に反映され、資材の承認・品質証明、工事写真などの施工管理が適切であれば、これらは加点対象です。同時に、これらの管理が日常的に行われていることも重要な加点ポイントとなります。

環境対策と資源管理
再生資源の利用や効果的な管理、使用機械の排出ガス規制、騒音対策なども適切に施工計画書に記載し、写真撮影による実績の記録を行います。

工程管理

作業工程の透明性と進捗管理
工事全体の工程表や月間工程表、週間工程表は、バーチャートやネットワーク図、フローチャートなどを用いてわかりやすく作成し、進捗状況を表した実施工程表の作成と提出を怠らずに行います。

工期短縮と労働効率
休日を確保しながら工期短縮が望ましいですが、人手不足を考慮し、時間外労働を削減しつつも短期間で工事を完了させる工程管理が現実的です。ただし、工程の短縮が安全面や品質の低下、費用の増加につながらないように、「ムリ・ムダ・ムラ」を見極めることが必要です。

対外関係
顧客や関係機関との円滑な連携
関係機関や第三者との調整や対応がスムーズであり、トラブルが発生していないことが基本です。発生した苦情に対しても、迅速で適切な対応が求められます。

透明性と調整のバランス
工事の内容や範囲をわかりやすく明示する看板の設置、歩行者通路の整備などが評価ポイントです。これらの設置にはコストと時間がかかるため、適度な調整で「シンプルイズベスト」を目指すことが重要です。

3.出来形及び出来ばえ

出来形と品質
出来形及び品質の評価は、施工計画書に明示された「規格値」や「社内規格値」が許容範囲内であること、出来形管理や写真管理の実践が施工計画書と整合していること、不可視部分の管理記録、品質管理が適切に実施されているかが基準となります。

仕様と寸法の確認
使用材料や部品などの仕様や寸法について確認が適切に行われているかがポイントです。

書類の整備
出来形結果表や品質管理図表などの書類が整備され、必要に応じて「手順書」が作成されているかどうかも重要です。

測定値の管理
測定値の結果をX-R管理図表やヒストグラムなどを用いて効果的に管理しているかが、品質管理の一環として評価されます。

これらの要素がしっかりと組み合わさり、施工計画書に基づいた標準を守りながら、出来形及び品質の向上に努めることが、評価の向上につながります。

4.工事特性

工事特性の評価では、以下の要素が重要となります。これらの項目に関する詳細な情報を書面で確認することが、評価の対象となります。

工作物の規模や複雑な施工条件への対応
工事対象の規模や複雑性に適した対応策が検討され、それが適切に実施されているかがポイントです。

地盤条件や地下埋設物
地盤の状態や埋設されているものに対する調査や対策がしっかりと行われ、それに基づく計画が実行されているかが評価の対象です。

周辺住民に対する騒音や振動への対応
工事による騒音や振動が周辺住民に与える影響に対する対策が適切に講じられているかが重要です。

自然環境の保護
工事が自然環境に及ぼす影響を最小限に抑えるための対策や保護策が計画され、実施されているかが評価対象となります。

天候など自然条件への対応
予測される天候やその他の自然条件に対する対応策が事前に検討され、工事が安全かつ効率的に進行できるような計画が練られているかがポイントです。

5.創意工夫

創意工夫についての詳細は、割愛させて頂きます。

6.社会性など

社会性の評価項目では、以下の要素が主な内容となります。これらの取り組みが適切に行われているかが評価のポイントです。

再生可能なエネルギーや省エネルギーへの取り組み
可能な限り再生可能なエネルギーの利用が検討され、省エネルギーの手段が採用されていることが評価対象です。
作業環境の整備や景観保護
現場の作業環境が適切に整備され、周辺の景観や環境に対する配慮が行われているかが重要です。

現場周辺の清掃
工事現場およびその周辺が清潔に保たれているかが、社会性の観点から評価されます。

見学会などの実施
工事現場を一般に公開し、地域住民や関係者が工事の進捗や内容を理解できるような見学会が行われているかがポイントです。

7.法令遵守

法令遵守の評価項目では、以下のポイントが評価基準となります。法令順守は企業が社会的責任を果たす重要な要素であり、これらの基準を守りつつ工事を進めることが期待されます。違反や問題が発生した場合には、速やかな是正と対応が求められます。

契約の問題や不法投棄、建設業法の違反への対応
指名停止などの契約違反や不法投棄の事案に巻き込まれていないかが確認されます。

処分対象となっていないかの確認
建設業法などの法令に基づく処分対象となっていないことが重要です。

安全管理体制の問題への対処
安全管理体制に問題が発生した場合、それに伴う重大な事故が発生しないよう速やかに対処されることが期待されます。

工事成績点を重要視するのであれば、工事着手前に提出する施工計画書には、これらの重要項目を漏れなく記載し、計画と実施内容が伴っていることも重要なポイントです。

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