近年、青森県の平野部でもクマの目撃情報が相次いでいます。
本来、クマは山林地帯に生息しており、人里に近づくことはめったにありません。
しかし、山の食料が不足したり、川沿いをたどって迷い込んだりして、平野部や市街地まで出てくるケースも見られます。
青森県に生息するクマは、ヒグマのような大型種ではありません。
それでも力は強く、遭遇の仕方によっては人がケガを負う危険もあります。
とはいえ、クマが自ら人間を襲うことはほとんどなく、驚いたり、子グマを守ろうとしたときに攻撃的になることが多いのです。

クマを見て「怖い!やっけろ!」と言いだすのは野蛮人の意見です。
クマも人間と同じように自分の身を守るために行動していますし、わざわざ危険な場所で暮らしたいとは思っていません。
野生動物の駆除ではなく、撃退できれば十分(元の住処に返す)
クマが本気で人間を襲えば危険ですが、できるだけ無傷で山へ戻してあげるのが賢明です。
最近では「駆除」よりも「共存・撃退」の方向で対応する地域が増えています。
建設工事では、山林や河川沿いなど、野生動物の生息域に入って作業を行うこともあります。
そのため、クマを寄せつけない工夫や配慮が欠かせません。
- クマよけの鈴を携帯する
- クマ撃退スプレーを備えておく
- ラジオやブザーなど、音の出る機器を使用する
人間の存在を早めに知らせることで、クマが自ら距離をとるようになります。
クマのテリトリーに踏み入らない意識を
山奥での測量や伐採など、普段人が立ち入らない場所での作業では、
「こちらが侵入している」という意識を持つことが重要です。
青森県では、シカ・サル・アナグマ・タヌキ・クマなど、さまざまな動物が生息しています。
野生動物は、基本的に人間を避ける習性を持っています。
したがって、人間がいることを知らせてあげるだけでも、ほとんどの動物は近づいてきません。

私は山奥の現場で、いろんな野生動物に出会いましたが「襲われたことがない」です。動物から見て人間が無害・襲っても意味がないと感じるように、ちょっとだけ配慮するだけで危険を避けることができます。
危険なケースを知っておく
野生動物が人を襲うのは、「エサを奪おうとしている」または「子どもやテリトリーを守ろうとしている」場合が多いです。特に子グマを見かけたときは、近くに親グマがいる可能性が高く、絶対に近づかないようにしましょう。
また、動物は見た目よりもずっと俊敏で、鋭い牙や爪、くちばしを持っています。
爬虫類や昆虫の中には、トゲや毒を持つ種類もあります。
そのため、「近づかない」「気配を感じたら離れる」が鉄則です。

「背後に気配を感じる…」
それは“パワー”や“オーラ”を感じたわけではなく、
草木が揺れる音や、足元の小さな物音を察知した時のことですね。(何かの達人でもない限り)
野生動物は人間よりもずっと聴覚や嗅覚が優れています。
もし偶然出会ってしまった場合、実は動物の方もかなり驚いていると思いますよ。
万が一クマと出会ったら
クマ撃退スプレーなどは、最終手段と考えるべきです。
建設現場で鍛えた体や安全保護具があっても、クマと対峙するのは危険です。
私たちは「戦うために山に入る」わけではありません。
出会ってしまった場合は、音や匂いなどで驚かせて距離を取り、
「人間に近づいてもメリットがない」と知らせることが大切です。
なお、サルなどにエサを与える行為は、動物を人間に慣れさせてしまい、結果的に事故を招く恐れがあります。
「かわいそう」よりも「安全第一」を意識することが、野生動物との共存の第一歩です。

野生動物がかわいく見えたり、お腹が減って痩せていると感じても
触ったりエサを与えないように。結果的にお互い良い結果を招きません。そっとしておいてあげることが重要ですね。
【補足】山菜取りでは「犬」が頼れるパートナーになることも
山菜取りなどで山に入ると、犬などの動物を連れていく人もいます。
犬は野生動物の匂いや音に敏感に反応し、けたたましく鳴いて知らせることがあります。
その鳴き声を嫌がって、野生動物の方が先に逃げてしまうケースもあります。

実は名作「銀河」を全巻持っています。(紙の書籍で)
今はKindleでも読めるので、クマや犬の知識をちょっと漫画でおさらいしたい時に便利です。ちなみに家で飼っていたドーベルマンの名前も「ベン」でした。

建設工事では「音や匂い」で存在を知らせる工夫を
もちろん、建設工事では犬を連れて作業することはできません。
そのため、ラジオ・鈴・発電機の音・作業車のエンジン音などで「人がいること」を周囲に伝えることが重要です。
野生動物は基本的に人を避けますが、静かすぎる環境では接近されるリスクもあるため、
作業中はできるだけ“人の気配”を出す工夫をしておくと安心です。

火薬の音で人間の存在を知らせるのに便利ですが
かえって野生動物を興奮(怯え)させないように注意が必要です。
まとめ:建設現場でクマに遭遇しても冷静に対応する
青森県でも、山と人里の境界があいまいになり、クマなどの野生動物が市街地に迷い込んでしまうケースがあります。
工事現場においても、野生動物との適切な距離を保ち、互いに危険な目に遭わないよう配慮することが求められます。
山で作業する際は「野生動物のテリトリーにおじゃましている」という意識を持ち、
無理に追い払ったり近づいたりせず、冷静な対応を心がけましょう。
山にまつわるちょっと怖い話(教訓編)
山は豊かな自然の宝庫ですが、昔から“人がむやみに入ってはいけない場所”としても語られてきました。
もし、山の中で 神楽や笛の音など、到底ありえない音 を耳にしたら——それは自然の音ではないかもしれません。
迷わず、その場を離れることをおすすめします。
また、古くから「山で何かに追われたら、持っている食べ物を少し後ろに投げて逃げ切れ」という言い伝えもあります。
山の神様、もしくは“良くないもの”に出会ってしまったとき、人間の食べ物を差し出すことで助かったという昔話が各地に残っています。
現代では迷信のように聞こえるかもしれませんが、これらの話は「山を敬い、むやみに立ち入らない」「自然の領域を侵さない」という先人の知恵でもあります。

もしかすると、“山崩れ”や“木がきしんで倒れる音”が、笛や囃子のように聞こえているのかもしれません。(かなり不気味)
また、山に入るときに食べ物を少し残しておくという習わしも、いざというときに自分を助けるための先人の知恵だったのかもしれませんね。
建設現場での怖い話はいくつかありますが、今回はやめておきますね・・・(意味深)



