
レーザー距離計は、ポケットに収まるサイズの革新的な測定機器です。
従来のメジャーや巻き尺によりも素早く、正確に測定ができるため、さまざまな分野で広く利用されています。
この記事では、レーザー距離計の基本情報と、その実用的な使い方について解説しています。

はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。
レーザー距離計とは
レーザー距離計は手のひらサイズの小型デバイスで、測定の精度と効率を向上させます。
主に屋内で使用されることが多く、対象物までの距離、床から天井までの高さ、壁との距離、加工する資材の寸法など、ボタンを押すだけで瞬時に測定できます。
建設工事現場では、建築物や構造物に対する距離や寸法を測定し、確認作業に役立てられます。
また、引っ越し業者、大型機器を運び入れる業者、DIY愛好家、一般家庭において、部屋のサイズを調べたり、家電製品の配置スペースを計測する際にも便利です。
大きなものを一人でも測ることができる

測量機器や巻き尺を使った測定は、ひとりで行うには無理があります。
また、床から天井までの高さを一人で測るのは危険や測り間違いの要因になることもあります。
レーザー距離計は、レーザーターゲットの位置を合わせるだけなので、サイズを知りたい対象が、大きくても(広くても)すぐに正確な測定をすることができます。
どのような場面で使われているのか
レーザー距離計は、手軽に距離や長さを測定できるアイテムです。
使い方次第では、どのような場面でも応用することができます。
建設業
建物の寸法測定、間取り設計、土地測量など。
不動産業
物件の広さを正確に測定し、評価に役立てます。
ホビースポーツ
DIY・ゴルフなどの距離測定に利用されます。(ゴルフ専用の計測機器もあります)
工業・運送業
機械加工や運搬資材の寸法測定、引っ越し荷物などの置き場所のサイズ確認など
屋外でレーザー距離計を使いたい
レーザー距離計は屋外でも使うことができますが、日中は太陽の光によってレーザーポインターの先端を見失いやすい問題があります。
この問題を解決するには、レーザー光を視認しやすくなる専用の眼鏡(レーザーメガネ)を装着することでレーザー光を視認しやすくなります。
(野外などの明るい場所では、レーザー光のターゲットを肉眼で認識できるのは30m程度です)
レーザー距離計にボッシュをおすすめする理由
レーザー距離計はいくつかのメーカーで販売していますが、個人的にはボッシュ製をお勧めします。
(測定用具や機器にはシンワ製のものも人気がありますね)
また、紹介しているレーザー距離計の画像は「GLM40」ですが、「40」の数字は測定可能な距離40mを表しています。
安価なモデルは測定距離が短く、距離が長くなれば価格が高くなっているのが一般的です。
ただし、遠い距離のレーザー光を肉眼で認識できる範囲としては40mくらいが丁度よいと思います。
ボッシュのレーザー距離計には他にも色々ありますが個人的には「professional」というタイプをお勧めします。

1.レーザー距離計の精度
レーザー距離計の最小測定単位は1mmで、測定の精度は±2mmとなっています。
例として建設現場などで使用する際に、建物の柱の間隔をミリ単位で確認したり、上空にある看板などの高さを正確に測定することも可能で、ミリ単位の精度が求められる環境にも最適です。
公共事業などの立会い検査など、その場で数値を測って提示することもできます。
2.レーザー距離計のメンテナンスと電源
ボッシュのレーザー距離計の本体は、ゴムで覆われた頑丈な作りです。誤って落としたくらいでは壊れません。
本体は防塵・防水(IP54)仕様です。本体が汚れたら、さっと拭くだけで充分です。
3.コストがかからない
電源は単4電池2本使用で、かなり長持ちします。
使用頻度にもよりますが数カ月~1年は電池を交換する必要はありません。
4.測定モードが充実している
レーザー距離計は、距離だけでなく、面積や体積、ピタゴラス、連続測定などの機能があります。
この記事ではすべての機能について説明や操作方法は省略させて頂きますが、複雑な作業はいりません。付属している説明書を読むだけですぐに活用できると思います。
5.液晶画面のバックライト
測定結果はバックライトが付いた液晶画面に表示されるので見やすいです。
暗い室内で使用する際でも、はっきりと数値を読むことができます。
レーザー距離計の使い方
レーザー距離計の使い方は簡単です。
レーザー距離計本体のお尻の部分から、測定したい対象までの距離を測すには、ボタンを押すだけです。
レーザー光の先端は、赤い点「ターゲット」になります。レーザー距離計から伸びているレーザー光は、専用の眼鏡を使うと見えやすくなります。
(埃っぽい場所ではレーザーの軌跡が見える場合があります)
機器の水平角度が気になる場合や、固定をしたい場合は、別売りのアタッチメントや三脚を用意してもいいでしょう。
距離を測定する流れ
レーザー距離計を距離を測定する流れを図で表しましたが、実際の操作は簡単です。
対象物にターゲット(赤い点)をあわせて、ボタンをひとつ押すだけです。

① レーザー距離計の電源を入れる
② 測定したい対象物に、レーザー光のターゲットをあわせる
レーザー距離計は、手で持ったままでも測定できますが、床や壁などに本体をぴったりくっつけた状態で測定すると、より測定の精度が向上します。
レーザー光の先端は「赤い点」(もしくは緑色など)です。
③ レーザー距離計本体の「測定ボタンを押す」
ターゲットが対象物にあたっているか確認しながら、測定ボタンを押します。
本体から対象までの距離によりますが、数秒ほど待つと測定した距離が表示されます。
④ 測定完了
ボッシュのレーザー距離計は計測したデータは保存されるので、連続測定をすることもできます。
使い方の例:床から天井までの高さや壁までの長さを測りたい
床から天井までの距離(高さ)や壁までの長さを測定する方法でも、操作は先ほどと同じです。
レーザー距離計は本体の向きは上下左右、どの方向に傾けても使用可能です。

ピタゴラス(辺測定)の機能を解説
GLM40には傾斜センサーは付いていませんが、高い建物や遮蔽物がある場合など、直接測定できない部分を計算してくれる機能が搭載されています。
ピタゴラスを使った測定と計算の例

今回の記事では詳しい計算方法や測量などの記述は割愛指させて頂きますが、上の図を例にすると
ビルなどの高さを知りたいとき
測定位置からビルまでの水平距離(測定距離①)と、ビルの上までの斜めの距離(測定距離②)を計測することで、不明な部分の距離(今回の例ではビルの高さ)を自動で計算してくれる機能です。
「ピタゴラスの辺測定」機能を使います。
下の図は、以前の記事で紹介した「ヘロンの公式」の図を使用していますが、辺の長さがそれぞれ3・4・5(m)の直角三角形です。もし高さ(3m)が直接測定できない場合、先ほどの計算方法が役立ちます。
水平距離が4(m)で、斜の長さが5(m)だった場合、5の2乗(25)から4の2乗(16)を引くいた値は9になり、√9=3(m)となります。(直角の場合)
遮蔽物によって直接距離を測れない場合

次の図は、上から見た図です。(一般的には平面図と呼びます)
A地点からB地点までの2点間の距離を測定したいとき、遮蔽物などによって直接測定することが出来ない場合
離れた測定位置からA地点とB地点まで、それぞれ距離を測定した値を使って、A地点からB地点までの距離を計算によって求めることもできます。
また、これらの例は「直角三角形」として記載していますが、建設現場の測量などでは測定位置が変わっても(直角三角形ではなくても)計算する方法もあります。
このように、レーザー距離計を使って身近な距離の計算や、やや複雑な計算をすることもできます。