水準測量:なぜスタッフ(標尺)を前後に振るの?

レベル水準測量:スタッフを前後に振る意味と方法

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建設現場で高さを測量するとき、
「スタッフを前後に振って!」と指示された経験はありませんか?

でも、「なぜ前後に振るの?」「どういう動作なの?」と疑問に思ったことがある人も多いでしょう。

実はこの動作、より正確に高さを測るために行っています。
レベル(オートレベル)を覗いている人が、ミリ単位の誤差をなくすための重要なポイントなんです。

この記事では、スタッフを前後に振る理由を、GIFアニメで分かりやすく解説しています。

スタッフを前後にゆっくり振っているのは、相手への合図や抗議(嫌がらせなど)ではありません。
レベルの視準線とスタッフの目盛りを正確に合わせるための動作で、
わずか1〜2ミリの誤差を確認する大切な作業なんです。
普段レベルを扱わない監督や検査担当の方も、この動作の意味とスタッフの読み方を知っておくと現場理解が深まります。

スタッフを前後に振る理由

スタッフを前後に振ることで、垂直になった瞬間の最小値を読み取ることができます。
スタッフがわずかに傾くだけでも、読み取る数値は変化してしまうため、
「最も小さい数値=垂直に立った状態」が正しい高さとなります。

スタッフに小型の水平器を固定する方法もありますが、
実際の現場では「前後に振る」ほうが確実で、道具も増えずにすみます。

スタッフ(標尺)が斜めに立っているとき
「正しく読み取れないのでは?」と感じるかもしれません
その考えは正しいですが、測定者はそれも踏まえて測定しています。

スタッフを前後に振るとは?

スタッフの根元を動かさずに、レベルに対して手前に倒す・奥に倒す動作を繰り返します。
このとき左右にブレないように、なるべく一定の幅で前後に振るのがポイントです。

(GIFアニメ)スタッフを前後に振ると、どう見えているのか?

スタッフを前後に振ると、レベルの視界ではこのように見えます。

※実際は上下にも線が評されていますが、解説用に省略しています。

手前に倒したとき:読みが「大きく」なる

垂直になった瞬間:読みが「最も小さく」なる(正しい高さ)

奥に倒したとき:再び読みが「大きく」なる

つまり、読みの最小値=垂直状態の値を見つけるためにスタッフを振っているのです。

スタッフの黒い四角は5ミリ単位で交互に表示されています。
(大きい枠が1cm、赤の三角は5cmの目印)
GIF画像の例:右側の数値(87~88㎝)と、さらにミリ単位の最小値を読み取ります。
この読みはいくつになるでしょうか?答えは、のちほど。

何回くらい振ればいいの?

レベルを覗いている人(測定者・観測者)は、通常2回ほどスタッフを振る間に「最大値と最小値」を把握しています。ただし、ピント調整や確認のために、2〜3回ほど繰り返すのが一般的です。

測定者から「OK」の合図があるまでは、約20〜30cmの幅で前後に振りましょう。

振るスピードは速くても問題ありません。
読みはおよそ5〜10mmの間で前後しますが、
測定者はその中から「最も小さい値」を正確に読み取っています。

GIF画像の読みは?

最後に、先ほどのGIF画像での読みを確認してみましょう。
レベルの読みは 0.875m(87cm5mm) が正解です。

「875(mm)」と読み取れるように、先ほどのGIF画像を確認してみて下さい。

スタッフの読みは0.875~0.880の間を繰り返していますので
最も低い値0.875mmが正解です。
「目押し力」とでも言いましょうか(笑)

💡 まとめ

スタッフを前後に振るのは「垂直の瞬間=最小値」を確認するため

手前・奥に倒すことで読みが変化する

測定者は2〜3回の振りで最小値を判断している

この動作を理解しておくと、現場での測量がスムーズになり、
チーム内のコミュニケーションも格段に取りやすくなります。

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