工事現場の防犯対策は重要
建設現場では、仮設機材や作業用の機械・工具などの盗難が後を絶ちません。
誰もいない深夜に重機や車両の燃料を抜かれたり(通常は燃料キャップにカギが付いています)、
重機自体が盗まれるケースもあります。
電工ドラムや水中ポンプなど、持ち運びしやすいものは特に注意が必要です。
そのため、安全対策とあわせて防犯カメラを設置することが現場保全に役立ちます。

↑ 屋内防犯カメラ・WEBカメラ

TP-LINKはスマホに連動させてリアルタイムでカメラアングルを変えたり、センサーで通知できます。もちろん録画も可能です。

ロジクールWEBカメラは、オンライン打合せにも便利。
持ち運びしやすく画像も綺麗、フルHDを安価に使いたい場合におすすめです。
現場環境改善費の有効活用にもおすすめ
公共工事では、現場環境改善費を工事価格に含めることができます。
この費用を有効に活用する手段として、防犯対策は非常に効果的です。

防犯カメラは、ダミータイプでもオンラインで映像を記録できるタイプでもOK。
もし現場で盗難や不法侵入が発生した場合
「どのような防犯体制だったか」「証拠映像が残っているか」で責任の所在や事件解決のスピードが大きく変わります。
被害の有無に関わらず、
「いつ」「どこで」「何が起きたか」を確認できる記録があると安心です。
可能であれば、スマートフォンで映像を確認できるカメラをおすすめします。
屋外防犯カメラの設置ポイント
建設関係者であれば、屋外カメラの取り付け方法はすでにお分かりでしょう。
設置場所は、安全掲示板の上や現場事務所の屋根などが適しています。
カメラが壊されたり盗まれないよう、高めの位置に設置しましょう。
また、現場事務所や倉庫全体を見渡せる視野角の確保も重要です。
最近の防犯カメラは、オンラインでアングルを調整できるタイプも登場しています。
電源タイプとソーラータイプ(電源あり/電源不要)
現場によって電源環境は異なります。
仮設電源が使える現場では問題ありませんが、小規模工事では発電機を使うこともあります。
ただし、防犯カメラのために発電機を24時間稼働させるのは非効率です。
そこでおすすめなのが、ソーラー充電式の防犯カメラ。
電源不要で設置でき、環境にも優しいタイプです。
常時稼働していることを見せるだけで、不審者への抑止力になります。

TAPO防犯カメラの紹介が多いですが・・・
実は3万点以上売れている人気商品です。
屋外防犯カメラ(ダミー)の場合は2000円ほどで購入可能
本格的な防犯カメラを導入するのが難しい場合は、ダミーカメラ(見た目だけの防犯カメラ)も効果的です。
最近のダミーカメラは、本物と見分けがつかないデザインや、赤色LEDが点滅するタイプなどもあり、夜間でも十分な存在感を発揮します。
価格は1台あたり2,000円前後から購入でき、設置もビスやマグネットで簡単。
屋外対応のタイプを選べば、現場事務所や倉庫の入口、資材置き場などにもすぐ取り付け可能です。
実際の映像記録はできませんが、「カメラがある」と認識させるだけで不審者の侵入を防ぐ効果は十分あります。
また、実際の防犯カメラと組み合わせて設置することで、より強力な防犯対策になります。

本物のカメラと一緒に使うと、どれが本物か見分けがつきません。
ソーラー電源でLEDを光らせるだけでも防犯効果が増します。
防犯カメラは「見せるための装備」
防犯カメラの目的は、犯人を捕まえることではなく犯罪を未然に防ぐことです。
隠しカメラのように証拠を押さえるよりも、
「ここは監視されている」と知らせることが一番の防犯になります。
侵入者をセンサーで感知し、ライトを点灯させたりカメラの存在を知らせるタイプも効果的です。
工事を円滑に進めるために、機材や資材を守る手段として設置しておきましょう。
屋外防犯カメラ設置のポイント Q&A +犯罪に出くわしたら
- 屋外防犯カメラは防水ですか?
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はい。屋外用として販売されているカメラは、基本的に防水仕様(IP65〜IP67程度)の商品が多く、雨や風にも強い設計になっています。取付場所を工夫すれば、長期間安心して使用できます。
- 撮影した映像はどのように保存されますか?
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カメラ本体のmicroSDカード(ミニSD)に記録するタイプが主流です。
また、オンラインストレージに自動保存できる機種もあり、スマートフォンやパソコンから遠隔で映像を確認・ダウンロードすることも可能です。 - 防犯カメラに人感センサーは付いていますか?
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多くの防犯カメラには人感センサー(モーションセンサー)が搭載されています。
センサーが反応すると自動で録画を開始したり、アラームを鳴らしたり、スマートフォンに通知を送ることができます。
マイク付きのタイプでは、カメラ越しに音声で呼びかけることも可能です。 - ソーラー充電はどのくらい持ちますか?
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十分に充電されていれば、数日間の曇天でも問題なく動作します。
頻繁にカメラの角度を変えたり、連続録画を行わない限り、電力不足になる心配はほとんどありません。
発電機を回し続ける必要がない点も、現場では大きなメリットです。 - 夜間撮影した映像が暗いのですが?
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防犯カメラの赤外線機能だけでは光量が不足することがあります。
その場合は、センサーライトやLED投光器を補助的に設置するのがおすすめです。
明るい現場はそれだけで不審者に「見られている」と思わせ、侵入抑止効果が高まります。 - ダミーカメラでも効果はありますか?
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はい。見た目が本物に近いダミーカメラでも、「監視されている」と感じさせるだけで抑止効果があります。
2,000円前後で導入でき、光を点滅させるタイプもあり、簡単に設置できるコストパフォーマンスの高い防犯対策です。 - 防犯カメラの映像はどのくらい保存できますか?
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microSDカードの容量や画素数の設定にもよりますが、32GBで約3日〜1週間分の映像が目安です。
重要な映像を残したい場合は、定期的なバックアップをおすすめします。 - 建設現場におすすめの設置場所は?
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現場全体を見渡せる高所(例:安全掲示板の上や事務所の屋根)に設置すると効果的です。
また、倉庫・資材置き場・車両出入口など、盗難リスクが高いエリアにも1台設置すると安心です。 - 現場で侵入者に出くわしたことはありますか?
-
何度もあります。書類作成のために深夜まで現場事務所でひとりで作業していると、明かりが点いているにもかかわらず事務所に入ろうとする人物がいることがあります。(たまに複数人で)
また、誰もいない時間帯を狙って資材置き場や道具小屋に侵入しようとするケースもあります。
たいていは、私が気付いて声をかけたり目を合わせるだけで逃げていきますが、防犯カメラが設置されていることを示すだけでも十分な抑止力になります。
深夜一人で現場事務所で作業中、急にドアが開いて
中を覗き込んだ数人の男性に「うわっ!いた!やべえ!」と言われたこともあります。
侵入者が逃げたあと、私はドアを閉めて
何事もなかったかのように書類作業に戻るんです。
(身の安全のため通常は通報して下さい)
侵入者に出くわしても無理に取り押さえようとしないでください。
相手が逃げずに逆上して襲いかかってくる危険もあります。
まずは身の安全を最優先に、すぐに距離をとって警察へ通報を。
組織的・プロの盗難について(追記)
敷き鉄板や大型発電機など、重量があり転売価値の高い資材・機械は、プロの窃盗グループに狙われやすい対象です。彼らは事前に現場を観察して「どこに何が置かれているか」を把握し、深夜〜早朝にユニック車などを使って短時間で搬出していくことが多く、盗む前から準備している場合がほとんどです。
このような組織的犯罪に対しては、単なる個別対策だけでなく記録(証拠)を残すことが非常に重要です。防犯カメラを設置しておけば、見回りや偵察の段階から動きを記録できるため、事件発生後に
- 出入りした車両の特徴(車種・ナンバー)
- 人物の動線や時間帯の傾向
- 使用された工具や搬出方法の手口
などを警察に提供しやすくなり、犯行の追跡・特定につながる可能性が高まります。
ただし、現場で不審者に直接対峙したり無理に取り戻そうとするのは危険です。記録を確保したら速やかに警察へ通報し、プロの捜査に委ねてください。

私の場合、敷き鉄板を全部盗まれたのが一番被害が大きいですね。
すぐに警察に通報しましたが、結局犯人は捕まりませんでした。
(当時その現場には防犯カメラが無かったが、事件前に怪しい人物が物色しているところを偶然目撃していた)
まとめ
防犯カメラは、現場の安全と資産を守るための“見張り役”。
現場環境改善費の活用にもつながり、万が一のトラブル時にも映像記録があれば安心です。
特にソーラー式やスマホ対応型など、省エネで扱いやすいタイプが現場に最適です。
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