勾配パーミリ(‰)とは?パーセントとの違いと現場施工

パーミリとパーセント

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パーミリ(パーミル)は「千分の一」を意味し、主に勾配や傾斜の角度を示す単位です。具体的には、1パーミリは水平1,000mmに対して垂直に1mmの上昇を示します。たとえば、2パーミリの勾配では、水平に2m進むと垂直に2mm上昇することを意味します。

パーセントとの違い

パーセント(%)は「百分の一」を示し、100mmに対して1mmの上昇を意味します。

このため、10パーミリは1パーセントに相当します。勾配を表現する際には、パーミリとパーセントの違いを理解し、適切に使用することが重要です。

使用例と注意点

パーミリは主に農業用の水路や汚水管、建設工事などで使用されます。特に建設工事に用いられる縦断図においては、パーミリ(‰)やパーセント(%)の勾配が用いられることが多く、これらの表記の確認を怠らないようにしましょう。正確な勾配管理が、効率的な排水や安定した構造物の維持に繋がります。

水路勾配(i)=(上流側の高さ(m:基準高・底高)ー下流側の高さ)÷距離(m)
※%または‰

パーミリとパーセントの違い

パーミリはパーセントと比較すると、非常に緩い勾配を表し、10パーミリは1パーセントに相当します。

パーセント(%)

1%は100分の1(百分率)を意味します。例えば、10%の勾配は、100mmの水平距離に対して10mmの上昇を示します。

※逆勾配を表す場合は、勾配(i)は、-1.00%のようにマイナスの値になります。

パーミリ(‰)

1パーミリは1000分の1(千分率)を意味します。例えば、1パーミリの勾配は、1000mmの水平距離に対して1mmの上昇を示します。

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排水勾配における重要性

基本的に、水は高いところから低いところへ流れます。しかし、水路や雨水、汚水などの排水勾配は、必ずしも強ければ良いというわけではありません。排水計画や現地の状況との調整など、適切な勾配を設定することが非常に重要です。

排水の効率

適切な勾配は、雨水や排水がスムーズに流れるために欠かせません。一般的には、排水管や溝の勾配は0.5%から2%程度が推奨されています。この範囲内であれば、流れが安定し、効率的な排水が実現できます。

詰まり防止

勾配が不十分な場合、水が溜まりやすく、詰まりや悪臭の原因となります。逆に、勾配が急すぎると水が流れすぎてしまい、流れが不安定になることもあります。特に下水道(汚水管)を布設する際には注意が必要です。水だけが流れて、汚物がその場に残されてしまわないように、適切な勾配を設定することが重要です。

パーミリの計算方法

計算式

排水勾配をパーミリで表すためには、次の式を使用します。

パーミリ(‰)=高低差÷距離×1000

つまり、2パーミリの高低差を計算したい場合は、千分率を1000で割った値に距離を掛け算
2÷1000×距離 となります。

※ パーセント%の場合は、百分率なので100を使います。
例:4%÷100 → 0.04 × 距離

実際の施工での注意点

設計段階での考慮

パーミリを考慮した設計は、実際の施工において非常に重要です。設計図にパーミリを明記しておくことで、施工者が正確な勾配を維持しやすくなります。

また設計者と施行者が異なる場合に、パーミリとパーセントの違い(使い分け)を両者が把握していないなど、施工後のトラブルの原因となるため、事前の打ち合わせや確認が重要です。

1パーミリの水路を布設する

例えば、1パーミリの勾配でコンクリート製の側溝を布設する工事の場合、長さ1mの製品を設置した際の上流側と下流側の高低差はわずか0.001m(1mm)となります。このような僅かな勾配でも、施工には注意が必要です。

側溝を布設する際、多くの場合、水糸やレーザーを基準にしていると思いますが、コンクリート製品のわずかな歪みや布設後の沈下も考慮する必要があります。そのため、1パーミリの勾配を現場で適切に施工することは簡単ではありません。

この対処法としては、以下のような方法があります。

配管用の水平器やデジタル水平器を使用して正確な角度を測定する。

布設時に数ミリ高く設置しておき、水路全体を布設後に沈下の具合を見ながら微調整する。

大抵の場合、流末の高さがしっかりしていれば、押し水や風などによって水が流れたり乾燥したりすることが多いです。このため、勾配を適切に管理することが、円滑な排水を確保する上で重要です。

施工後の点検

施工が完了した後は、実際の勾配が設計通りになっているかを確認することが重要です。水を流してみることで、排水の効率を確認することができます。

まとめ

パーミリは排水勾配を計算するための重要な単位であり、適切な勾配を維持することは排水の効率を確保するために不可欠です。このような内容は、建設業界の実務者にとって非常に役立つ情報となるでしょう。

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