平行投影図と透視投影図(CAD:パースペクティブ)

アイソメトリックプロジェクション

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建設業界では、工事や建築物の設計や計画において図面が非常に重要です。従来は2D図面が主流でしたが、近年では3D図面の活用が広がり、3DモデリングやVRなどの技術も導入されるようになっています。

特に、立体的な構造を視覚的に捉えるためには、斜め方向から物体を見る代表的な図法である「平行投影図」「透視投影図」がよく用いられます。本記事では、それらの基本的な特徴について解説します。

何を表現するかによって図法を切り替える

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平行投影図と透視投影図は、それぞれ得意とする表現が異なるため、用途に応じて使い分けることが重要です。

平行投影図

平行投影図は、オブジェクトの寸法や形状を正確に伝えるのに適しています。例えば、建築の設計図や工事現場での施工図では、平行投影図を使用することで、各部材のサイズや位置関係を明確に表現できます。この図法では遠近感が生じないため、寸法が正確に表される点が大きなメリットです。

透視投影図

一方、透視投影図は、物体をより直感的に視覚化するのに適しています。例えば、建物の完成イメージをクライアントに提案する際には、透視投影図を使うことで、実際の見え方に近い立体的なイメージを伝えられます。この図法は遠近感を表現できるため、リアリティを重視する場面で効果的です。

用途によって図法を切り替えることで、必要な情報を効果的に伝えられるようになります。たとえば、設計者が施工者と共有する図面には平行投影図を用い、顧客向けのプレゼンテーション資料には透視投影図を活用する、といった使い分けが考えられます。

平行投影(Parallel Projection:パラレルプロジェクション)

平行投影図は、投影線が全て平行で、視点の距離に関係なく物体の形状を正確に表現する図法です。建築物の設計や工事計画において、正確な寸法や形状を確認するために使用されます。この方法では、遠近感が表現されないため、物体が離れていても縮小されることがありません。設計図や技術図面に適しており、複数の面を正確に示すことができます。

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建設工事の図面(平面図や断面図など)のように、寸法を正確に表すときには並行投影法が用いられます。

透視投影(Perspective Projection:パースペクティブプロジェクション)

透視投影は、遠近法に基づいた図法で、物体が視点に近いほど大きく、遠いほど小さく描かれるため、実際の見た目に近い印象を与えることができます。これは建築物の完成予想図やプレゼンテーション資料でよく使われ、3DモデリングやVRシステムで視覚化する際にも活用されます。透視投影図は、立体感を伝えるのに非常に優れているため、空間的なイメージを把握するのに役立ちます。

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建物などの完成予想図や、3Dゲームなども遠近法が採用されています。

アイソメトリック図(Isometric Projection:アイソメトリックプロジェクション)

アイソメトリック図(アイソメ)は、平行投影図の一種で、物体の3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)が等角に表示されるため、立体感を視覚的に捉えやすいのが特徴です。特に、CADで立体的に物体の形状を表す際に多用されます。

円(360度)を中心に3軸(X,Y,Z軸)を均等に表示するため、それぞれの軸との角度は120度になり、角度が一定であるため、寸法をそのまま正確に表現でき、図面を見ながら設計や施工に役立てることが可能です。複雑な構造物の全体像をわかりやすく表示できるので、建設現場でも重要な役割を果たします。

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円の角度(360度)をX,Y,Z軸の3つで割ると360÷3
それぞれの挟角は120度ということになりますね。


まとめ

建設業において、図面は設計の根幹を成す要素であり、平行投影図や透視投影図、アイソメ図のような投影法を正しく理解することで、より精度の高い計画が立てられます。近年の3D技術やVRの導入により、これらの図法を活用して、設計者と現場がスムーズに連携することが重要です。

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