住宅基礎のひび割れ、土台の腐食・シロアリをチェック

住宅基礎のひび割れ・土台の腐食・シロアリ被害

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家は一生の中で最も大きな買い物の一つ。しかし、その土台である『基礎』については意外と見過ごされがちです。実は、基礎部分がしっかりしていないと、建物全体の安全性や耐久性が大きく損なわれてしまいます。この記事では、住宅基礎の基本知識から、ひび割れや土台の腐食といった劣化のサイン、そしてその対策までを初心者でも分かりやすく解説します。ぜひチェックして、家を長持ちさせるヒントを見つけてください!

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建築工事では「基礎工事」と建物の「土台」が含まれています。

住宅基礎の基本知識

基礎と土台は、建物の重さを地面に伝え、地震や湿気、害虫などの外的要因から家を守る大切な役割を担っており、住宅基礎には“ベタ基礎”と“布基礎”の構造(種類)があります。
鉄筋コンクリートや防湿シートなどの名称や役割、特徴など、まずは基礎の仕組みを知ることが重要です。

住宅基礎の種類:ベタ基礎と布基礎

住宅基礎の種類には、ベタ基礎と布基礎があり、それぞれ特徴が異なります。

ベタ基礎の構造と特徴

ベタ基礎と土台の構造図 名称
  • 構造
    基礎全体を一枚のコンクリート板で覆う形。建物を底面全体で支える構造。
  • メリット
    • 地震や沈下などに対する耐久性が高い
    • 地面全体を覆うため、防湿効果や害虫(シロアリなど)の侵入防止効果がある。
    • 不安定な地盤でも安定しやすい。
  • デメリット
    • コストが高め。
    • コンクリート使用量が多く、施工に時間がかかる。

布基礎の構造と特徴

  • 構造
    建物の壁の下に帯状の基礎(布)が敷かれている。家を支える線(帯)状の構造が特徴。
  • メリット
    • コストが比較的安い。
    • 軽量な建物(木造住宅など)に向いている。
    • コンクリートの使用量が少ないため、施工が容易。
  • デメリット
    • 地盤の強度に依存しやすく、不安定な地盤には不向き。
    • 地震時に基礎全体で荷重を分散する能力が低い。

住宅基礎の亀裂の原因と対策

住宅基礎の亀裂

地盤の沈下

地盤が地震や浸水などによる沈下や液状化現象を起こした場合。

コンクリートの劣化

風化、中性化、凍害、塩害によってコンクリートの強度が低下し、ひび割れが発生することもあります。

太陽光や雨風、気温の変化など、建物に関する様々な要因にもよりますが、鉄筋コンクリートの寿命はおよそ40~50年程度で、寒冷地や海に近い場所では凍害や塩害によるコンクリートの劣化に注意が必要です。

施工不良

基礎コンクリートの施工不良、養生不足や鉄筋の配置ミス(配筋不足・鉄筋の被り不足など)により、早期に亀裂が生じる場合もあります。

第三者による住宅基礎の「鉄筋検査」 クリックするとテキストが展開します

住宅基礎の施工において、鉄筋は建物全体の強度や耐久性を支える重要な役割を果たします。しかし、施工現場では「配筋不足」や「鉄筋の被り不足(鉄筋とコンクリート表面の距離が適切でない)」といった施工不良が発生する場合があります。こうした問題を防ぐために、第三者機関による検査が推奨されています。

1. 第三者機構の役割とは?

第三者機関は、建築主や施工会社とは独立した立場で住宅基礎や配筋の検査を行い、公正かつ客観的な評価を提供します。主に以下のようなチェックが行われます。

  • 鉄筋の配置間隔が設計図通りかどうか
  • 鉄筋とコンクリート表面の被り厚さが規定値を満たしているか
  • 使用されている鉄筋の種類や品質が適正か
  • 鉄筋の結束や補強が適切に行われているか

2. 第三者検査のメリット

  • 施工品質の向上
    施工中に専門的な目でチェックが入ることで、施工不良の発生を未然に防ぎます。
  • 建築主の安心感
    透明性のある検査を受けることで、建物の基礎部分に対する信頼感が得られます。
  • 法規や基準への適合確認
    建築基準法や関連規定に沿った施工が行われているかを確認できます。

3. 鉄筋検査の具体的な流れ

  1. 配筋前の準備段階での確認
    設計図に基づいて、鉄筋の種類や数量、配置方法が適切に準備されているかを確認します。
  2. 配筋後の現場検査
    実際の鉄筋配置が設計図通りかを目視や専用機器で検査します。この際、鉄筋の被り厚さを確認するために測定機器が使用されることがあります。
  3. 報告書の作成と提出
    検査結果をまとめた報告書が建築主に提供されます。不具合が見つかった場合は、是正指示が出されます。

住宅基礎のひび割れは、どのような影響を及ぼす?

住宅基礎にひび割れが発生すると、その程度や場所により建物全体にさまざまな影響を及ぼします。

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コンクリート表面に入ったヒビ(亀裂)は「クラック」と呼ばれます。

1. 建物の耐久性の低下

基礎のひび割れから水分が浸入すると、内部の鉄筋が腐食し、構造の強度が低下します。
この状態が進むと、基礎自体の強度が低下しヒビ割れ・表面の剥離から鉄筋が露出するなど、建物全体の耐震性にも悪影響を与える可能性があります。

2. 湿気やカビの発生

ひび割れ部分から地下の湿気が侵入し、室内の湿度が上がることで、カビの発生や床材の腐食につながる場合があります。

3. シロアリ被害のリスク増加

ひび割れ部分はシロアリが侵入する入り口になり得ます。特に湿気が多い環境ではシロアリ被害が深刻化しやすく、基礎や土台が食害される恐れがあります。

4. 雨水や泥の侵入

地盤沈下やひび割れによって基礎の防水性が損なわれると、大雨時に雨水や泥が浸入しやすくなります。これにより、家の内部がダメージを受ける場合があります。

5. 建物の傾きやドア・窓の不具合(枠のゆがみ)

基礎のひび割れや破損が進行すると、建物が不均等に沈下し、ドアや窓の開閉がスムーズにいかなくなることがあります。放置するとさらなるひび割れや構造問題につながります。

住宅基礎の亀裂の種類と判別方法

ヘアクラック(細い亀裂)

ヒビ(クラック)の幅が0.3mm未満の細い亀裂で、通常は基礎の構造に影響しない範囲。
クラックが生じて防水性が低下し、水分が基礎内部に侵入すると鉄筋の腐食につながる可能性がある
簡易的な補修を行う場合は、コンクリートクラック防水シーラント樹脂・モルタルなどをクラック部分に充填するなどの方法があります。

構造クラック

クラック幅0.3mm以上、または深さが基礎全体に及ぶ場合は、建物の耐久性に影響を与える可能性が高く、
専門業者による調査と補修を行うか、場合によっては基礎の再施工や補強工事が必要になります。

コンクリートのクラック幅を測定する方法

1. クラック幅測定に使用する道具

コンクリートのひび割れ(クラック)の幅を測定するには、「クラックスケール」という専用の道具を使用します。クラックスケールは透明なプラスチック製の板に、異なる幅の線が印刷されている簡易的な測定ツールです。(画像出典:AMAZON)


2. 測定手順

  1. 測定箇所の確認
    ひび割れが発生している箇所を目視で確認し、測定するポイントを決めます。特に、ひび割れが目立つ部分や深さが気になる箇所を重点的にチェックします。
  2. クラックスケールを当てる
    クラックスケールをひび割れ部分に直接当て、スケール上の線とひび割れ幅を比較します。スケールには、0.10mmから1.0mm以上の幅が段階的に表示されているため、最も一致する幅を確認します。
  3. 記録する
    測定した幅を記録し、必要に応じて写真を撮影しておくと、経年変化を追跡しやすくなります。
    また、基礎の補修工事を専門業者に依頼する場合、ひび割れの程度や情報を正しく伝えることができるため、対応もスムーズになります。

3. 測定のポイント

  • クラック幅が「0.3mm未満」の場合
    構造的な問題が発生していない可能性が高く、補修が必要かどうかは状況次第です。ただし、防水性が低下している可能性があるため、簡易的な補修を検討するとよいでしょう。
  • クラック幅が「0.3mm以上」の場合
    構造クラックの可能性が高く、建物の耐久性に影響を与えるリスクがあります。この場合、専門業者による調査と補修が必要です。

クラックスケールはホームセンターやオンラインショップで手軽に入手可能です。簡単に使用できるため、一般の方でも住宅基礎の点検に役立ちます。

土台の腐食とシロアリ被害

基礎に設置された木材(土台)が腐食すると、建物全体の安定性が低下します。
湿気や害虫が主な原因であり、特に日本の湿潤な気候では注意が必要です。

土台が腐食する主な原因と内容

湿気の蓄積:通気不良や地面からの湿気が原因で、木材が腐りやすくなる。

害虫の侵入(シロアリ):シロアリは湿気を好むため、腐食が進んだ土台は格好の餌場になる。

雨水の浸入:雨漏りや基礎の亀裂から雨水が侵入し、腐食を引き起こす。

土台部分の腐食の見分け方とシロアリが発生しやすい時期

木材が触ると柔らかくなっている。(ぶよぶよしている、湿っている)
色が変色している(黒ずみやカビが発生している)
シロアリの被害がある場合は、表面に穴や粉状の木屑が見られる。

シロアリが発生しやすい季節

1. 春(3月~5月) 春はシロアリの活動が最も活発になる時期です。特に、暖かい日が続くと、巣から新しいシロアリが飛び出す「羽アリ」が発生し、繁殖のために巣を移動することがあります。羽アリが飛ぶのは、気温が上がり、湿度が高い日です。この時期にはシロアリの巣が増え、住宅の木材に侵入していく可能性が高まります。

2. 夏(6月~8月) 夏は気温と湿度が高く、シロアリの活動が続きます。この季節は梅雨の時期も含まれており、湿気が多い日が続くとシロアリが活発になります。特に湿度の高い場所や風通しが悪い場所に生息しているため、住宅の基礎や床下などの点検が重要です。

3. 秋(9月~11月) 秋もシロアリの活動が活発になる時期で、特に暖かい日が続くと「羽アリ」が再度飛び出すことがあります。秋は夏の湿気が残っており、シロアリがさらに繁殖しやすい環境となります。

4. 冬(12月~2月) 冬は寒いためシロアリの活動は少なくなりますが、暖房を使って室内が暖かくなっていると、屋内に潜んでいたシロアリが活動を再開することがあります。特に、屋内に湿度が高い場所があると、シロアリが発生するリスクがゼロではありません。

シロアリの発生と木材の腐食を防ぐための対策

  • 湿気対策
    湿度が高い場所はシロアリが好む環境です。住宅周辺や床下の湿気を取り除くために、防湿シートを敷く、通気口を設ける、換気を改善するなどの対策が重要です。
  • シロアリ駆除剤の使用
    定期的にシロアリ駆除剤を使って予防することも有効です。また、シロアリ駆除業者による定期点検もおすすめです。
  • 早期発見と対処
    シロアリが発生しやすい時期にこまめに点検し、早期に発見して対処することで、被害を最小限に抑えることができます。

シロアリは住宅の基礎や木材を食害し、構造的な問題を引き起こすことがあるため、季節に関係なく定期的に点検し、対策を講じることが重要です。

まとめ:住宅基礎の点検を怠らないために

住宅基礎は建物を支える重要な部分であり、その状態が建物全体の耐久性や安全性に直結します。ひび割れや剥離、鉄筋の腐食、さらには土台の腐食やシロアリの発生など、基礎に問題がある場合、早期の発見と適切な対処が必要です。

基礎に小さな異常が見つかったとしても、それを放置することで問題が拡大し、後々大掛かりな補修工事が必要になることもあります。定期的な点検を行い、専門業者による調査や補修を検討することで、住宅の寿命を延ばし、大切な家族が安心して暮らせる住まいを守ることができます。

「気になる箇所があればすぐに専門家に相談する」ことを習慣にし、長く快適な住環境を維持していきましょう。

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