リフォームは家の快適さを向上させるための大事な工事ですが、「思っていた仕上がりと違う」「費用が追加でかかった」「施工ミスで不具合が出た」といったトラブルが発生しやすい分野でもあります。
特に 契約内容の不明確さ、業者の施工レベルのばらつき、工期の遅れ などが大きな問題となることが多いため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。

リフォーム業者の担当者が電話に出なくなった。
という事例もあります。
よくあるリフォームのトラブル事例
仕上がり・施工不良のトラブル
イメージと違うデザインや色になった(例:クロスの色、床材の質感)
施工不良による傷や歪み(例:ドアが閉まりにくい、床に段差ができた)
断熱材や防水工事が不十分で結露・カビが発生
工事完了後に柱や壁に傷がついていた
契約・費用に関するトラブル
「基本プラン」と言われたものに追加費用が発生し、結果的に高額になった
「一式工事」と言われて詳細の積もりがないまま契約し、後からトラブルに
工事途中で仕様変更を依頼したら、大幅に追加費用がかかった
1. 仕様変更の必要性を明確にする
- 変更の理由(デザインの変更、設備の仕様変更、予算調整など)を明確にし、担当者に伝える。
- 可能であれば、具体的なイメージや参考資料を用意し、誤解を防ぐ。
2. 費用と工期の変動を確認する
- 仕様変更が追加費用や工期の延長につながるか、見積もりを出してもらう。
- 口頭だけでなく、書面やメールで正式に確認する。
- 予算オーバーにならないよう、優先順位を決めて取捨選択する。
3. 契約書や合意内容を確認する
- 仕様変更に関する契約のルール(追加費用の発生条件など)を事前に把握しておく。
- 工事途中の変更が可能か、どの段階までなら柔軟に対応できるかを確認する。
4. 施工中の進捗をチェックする
- 変更後の施工が正しく進んでいるか、定期的に確認する。
- 可能であれば、現場で打ち合わせを行い、認識のズレを防ぐ。

どこまでの範囲であれば仕様変更が可能なのか、リフォームにかかる費用を、どれくらいで収めたいのか、どういう理由で工事を依頼するのかを明確にしておくといいでしょう。
工期・進捗のトラブル
「〇日で終わる」と言われたのに、1ヶ月以上も工期が遅延
工事中に職人の人数が少なく、作業が進んでいない
施工業者と連絡が取れず、状況確認ができない
アフターサービスのトラブル
施工後すぐに問題が発生したが、業者が対応してくれない
保証期間内なのに「この場合は保証対象外」と言われた
引き渡し後に小さな修正を頼んだが、高額な追加費用を請求された
リフォームで後悔しないための5つのチェックポイント
① 複数の業者から見積もりを取る
1社だけで決めるのはリスクが高いため、最低でも 3社の見積もり を比較するのが理想です。

リフォームして欲しい内容を複数の業者にそれぞれ見積り・提案してもらうことを「相見積もりをとる(あいみつもり)」と呼びます。工事の方法や捉え方、提案力などは、業者によって異なりますから、その中から最適なプランを選びましょう。
「一式工事」と曖昧な見積もりに含まれている、詳細な工事項目を確認 する
大手と中小業者の施工体制や管理方法を比較する
建築工事の見積書には、なぜ「一式工事」と記載されているのか
建築工事の見積書で「一式工事」という表記が使用される理由はいくつかあります。
1. 施工内容が多岐にわたるため
建築工事では、細かい作業が多数発生します。例えば、リフォーム工事では解体・補修・設備交換・仕上げなどが絡み合うため、個別に細かく記載すると膨大な項目数になり、見積書が煩雑になります。そこで、関連する工事項目をまとめて「一式」として表記することで、わかりやすく整理されます。
2. 施工範囲が現場によって変動するため
特にリフォームや改修工事では、現場状況によって正確な数量を事前に確定できないことがあります。例えば、床の補修工事では「どこまで傷んでいるか」は解体しないとわからないため、見積もり段階では「床補修一式」としておき、実際の工事で調整することが一般的です。
3. 施工の柔軟性を確保するため
建築工事では、現場での判断が必要になることが多く、「一式」と表記することで多少の変更や調整を含めた金額設定ができます。これにより、追加見積もりの手間を減らし、スムーズな施工が可能になります。
4. 請負契約のための簡素化
工事契約の際に、あまりにも詳細な見積書を作成すると、工事内容の変更ごとに見積書の修正が必要になり、手続きが煩雑になります。「一式工事」と表記することで、全体の請負契約としてまとめやすくなるという利点もあります。

○○工事一式に含まれる詳細を知りたい場合は「内訳書(うちわけしょ)」をもらうことで、その工事で想定されている内容がわかります。
② 契約前に追加費用や保証内容を明確にする
追加費用がかかるケースを具体的に確認(オプションや変更に伴う費用)
保証の範囲と期間を把握(施工不良が発生した場合の対応など)

費用に関しては「仮設費」「営繕費用」「管理費」などが
別に計上されているのか、一式工事に含まれているのか
工事を変更した場合、どの段階までであれば対応しやすいのかなど、契約前に確認しておくといいでしょう。
③ 口コミや評判を過信しない
口コミサイトやレビューは参考になりますが、業者によっては 高評価を意図的に操作しているケース も。
「リフォーム業者の対応がよかった」「職人さんの腕が良い」など、実際の経験談が具体的な口コミを重視
近隣の施工実績を確認し、直接話を聞くのも効果的です。

施工事例:○○邸玄関リフォーム工事など、過去にどういった工事を行ったかを口コミやレビュー、公式サイトなどで確認できると安心ですね。建設工事には「同じ現場が存在しない」ため、現場に応じた技術力や提案力が求められます。
④ 工事中の進捗を定期的に確認する
施工現場に 足を運び、進捗をチェック する
施工ミスを早期発見するため、写真を撮って記録 しておく
⑤ リフォームの苦情・クレームはどこに相談する?
リフォーム中・後にトラブルが起きた場合、以下の窓口が役立ちます。
- リフォーム業者の担当者や本社へ相談
- 住宅リフォーム・紛争処理センター(公的機関)
- 国民生活センター(消費者トラブル対応)
- 弁護士に相談し、法的措置を検討(契約不履行の可能性がある場合)
リフォーム業者選びは慎重に!後悔しないために
新築住宅の件数が減少する中、リフォーム事業に新規参入する業者も増えています。
しかし、すべての業者が高品質な施工を提供できるわけではありません。
「リフォームは一生に何度もできるものではないからこそ、業者選びや契約内容のチェックが大切!」
後悔しないリフォームのために、事前の準備と確認をしっかり行いましょう。