建設工事の見積書や積算で見かける「諸経費(しょけいひ)」。
材料費や直接的な施工費以外にも、工事を進めるためには様々な管理費用が必要になります。
建設業では、こうした費用をまとめて「諸経費」と呼びます。
諸経費とは、建設工事を行ううえで必要になる間接的な費用のことです。
一般的には、
- 現場経費
- 一般管理費
の2種類に分けられます。
これらは、実行予算や原価管理で重要な管理項目になります。

現場経費とは
現場経費は、工事現場を運営・管理するために必要な費用です。
直接施工そのものではありませんが、安全管理や現場運営に欠かせません。

現場経費の例
例えば、
- 労務管理費
- 従業員給料手当
- 保険料
- 法定福利費
- 事務用品費
- 施工図作成費
- 機材損料
- 通信交通費
- 補償費
- 近隣対策費
- 地代家賃
- 租税公課
などがあります。
特に近年では、
- 安全対策
- 熱中症対策
- 騒音対策
- 交通誘導
なども重要視され、現場経費が増加するケースもあります。

建設工事を円滑に進めるうえで
必要な費用や対策も見直されています。
一般管理費とは
一般管理費は、会社全体を維持するために必要な費用です。工事現場だけでなく、
- 本社
- 支店
- 営業所
などの運営費も含まれます。

一般管理費の例
例えば、
- 労務費
- 法定福利費
- 福利厚生費
- 事務所家賃
- 広告宣伝費
- 水道光熱費
- 調査研究費
- 減価償却費
- 租税公課
- 雑費
などがあります。
つまり、建設会社が継続的に事業を行うための必要経費です。
なぜ諸経費が必要なのか
建設工事では、
- 材料を買うだけ
- 作業員を配置するだけ
では工事は成立しません。例えば、
- 現場管理
- 安全管理
- 工程管理
- 書類作成
- 保険加入
- 周辺対応
など多くの間接作業があり、これらを維持するために諸経費が必要になります。
「諸経費が高い」と感じる理由
一般の人から見ると、「材料費より高い」「何に使われているのか分からない」と感じる場合があります。
しかし建設業では、
- 安全管理
- 現場監督
- 保険
- 重機管理
- 書類対応
など、多くの管理業務が必要で、特に公共工事では、
- 写真管理
- 出来高管理
- 品質管理
- 安全書類
などの負担も大きくなります。

工事の安全と品質確保のうえで、これらの項目を怠ると
工事の評価点も下がるわけです。
民間工事の諸経費割合は?
公共工事では、工事規模に応じて諸経費率のおおよその基準があります。一方、民間工事では、
- 工期
- 管理内容
- 工事規模
- 契約条件
によって変動しやすくなります。比較的小規模・短期間で完了する工事では、管理作業を簡略化できる場合もあります。
民間工事の目安
民間工事では、おおよその目安として、工事費の5〜20%程度で設定されるケースがあります。
ただし、
- 小規模工事
- 夜間工事
- 特殊工事
- 安全対策が多い現場
などでは割合が変わる場合があります。

例えば、発注者が工事に必要な敷地や置き場を提供してくれたり
工程の短縮が期待できるなど。条件がいいと経費は安くなり
逆に、重機や資材を運び入れるだけで困難な場所など、特別な措置が必要になると経費は高くなります。
諸経費は原価管理とも深く関係する
見積書を作成する場合、諸経費は単純に決めるわけではありません。実行予算や原価管理と照らし合わせながら、
- 利益率
- 工程
- 人員配置
- 現場条件
などを考慮して適正な割合を設定します。また諸経費が不足すると、
- 安全管理不足
- 品質低下
- 赤字工事
につながる場合もあります。
諸経費は建設工事を支える重要費用
諸経費は「余分なお金」ではなく、建設工事を安全かつ円滑に進めるための、
- 管理費
- 運営費
- 維持費
として重要な役割を持っています。見積書を見る際は、単純な金額だけでなく、
「どのような管理が含まれているか」も確認することが重要です。
関連用語
相見積 / 請求書 / 原価管理 / 実行予算 / 単価表 / 材工共 / 進捗率 / 事前調査



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