建設工事で役立つ様式データ(圧縮ファイル)を展開したい
建設工事の現場では、作業日報、施工計画書、チェックリストなど、多くの書類を使用します。これらを効率的に管理するために、様々なウェブサイトで無料でダウンロードできるテンプレートや様式データが公開されています。
無料提供されている様式データは、ExcelやWord形式が一般的ですが、中にはPDFや圧縮ファイル形式(ZIPなど)で提供されているものもあります。こうしたデータをスムーズに利用するためには、基本的な操作やツールの知識が必要です。

この記事では、ファイルの圧縮と展開の方法
容量の大きいデータの送信方法などの解説をしています。
ZIPファイルって何?そのままでは使えない理由
このサイト内で、無料で提供されているテンプレートや様式データは、一度に複数のファイルをダウンロードできるように、ZIP形式で圧縮されていることがあります。ZIP形式は、ファイルを一つにまとめて容量を小さくする便利な方法です。
ただし、この形式ではそのまま中身を使用することができません。ZIPファイルを利用するためには、「解凍(展開)」と呼ばれる操作が必要です。
解凍ソフトの利用方法:WinZipやWindows標準機能
ZIPファイルを解凍する方法は主に2つあります。
1. Windows標準機能で解凍
Windowsでは、追加のソフトウェアをインストールしなくても、ZIPファイルを右クリックして「すべて展開」を選択するだけで解凍できます。


ご使用の端末環境によって異なりますが
ファイルアイコンがファスナーや凍っているように
表示されているのが「圧縮ファイル」といいます。
2. 解凍ソフトを利用(WinZipなど)
解凍ソフトの中でもWinZipや7-Zipは特に人気があります。これらのソフトを使えば、ZIP形式以外の圧縮形式(RARや7zなど)にも対応可能です。特に、業務で多様なファイル形式に対応する必要がある場合におすすめです。
WinZipの使用手順
- WinZip をダウンロードしインストールします。
- 解凍したいZIPファイルを右クリックして「WinZipで解凍」を選択。
- 解凍先を選択し、データを展開します。

ソースネクスト WinZip 28 Pro (最新版)
圧縮・暗号化ソフト Windows対応
ダウンロード版
出典:楽天市場
ダウンロードしたファイルが開けない場合のトラブル対策
- 圧縮ファイルが破損している場合
再度ダウンロードするか、提供元に問い合わせましょう。 - 解凍ソフトが対応していない場合
異なる解凍ソフト(7-Zipなど)を試すと解決することがあります。 - パスワード付きZIPファイル
一部のデータはセキュリティのためパスワードで保護されている場合があります。
提供元からパスワードを取得しましょう。
ファイルを圧縮するべきケース


発注者や取引先などにデータを送信するときには
ファイルを圧縮すると便利です。

ファイルを圧縮する場合は
先ほどの「展開」とは逆の「圧縮」を行います。
データ容量が多いファイルを、USBメモリーやDVDを持ち歩いて受け渡ししている
メールでデータを送信する際に、容量に制限がかかってデータを分けて送っている
過去に作成したファイルと、修正後のファイルがごちゃまぜになっている
データのやり取りに、パスワードなどのセキュリティを加えたい
ファイルを圧縮する方法:Windowsの場合

圧縮したいファイルを、フォルダの中にまとめ、アイコンを右クリック→「圧縮先」を選択するだけです。
※上の画像では、右側のフォルダが圧縮された状態です。
1. ファイルサイズが大きい場合
大容量のファイル(例えば、CADデータ、設計図、画像データなど)をそのまま送ると、メールの容量制限を超えてしまう可能性があります。ZIP形式などで圧縮すると、ファイルサイズを縮小でき、送信がスムーズになります。
2. 複数のファイルを送る場合
複数の書類やデータをまとめて送る際、それぞれを別々に送ると手間がかかります。
ZIP形式で1つのファイルにまとめると、取引先や発注者にとっても管理しやすくなります。
3. セキュリティを確保したい場合
圧縮ファイルにパスワードを設定することで、送信中のデータ漏洩を防げます。
特に重要な契約書や個人情報を含むデータを送信する際は、セキュリティを強化するために圧縮を活用するとよいでしょう。
4. メールやオンラインストレージを利用する場合
メール添付ファイルには容量制限があることが多いです(一般的に10~25MB)。
オンラインストレージ(Google Drive、OneDriveなど)を使う場合でも、圧縮してアップロードすると速度が向上します。
主なオンラインストレージサービス
Google ドライブ(Google Drive):無料プランで15GBのストレージを利用可能。有料プランあり
OneDrive(Microsoft):Microsoftアカウントで利用可能。無料で5GBのストレージを提供、有料プランあり
Dropbox:無料プランで2GBのストレージを提供。有料プランあり

データ容量が多い場合データ転送サービスを活用すると便利です。
ギガファイル便、データ便、Send Anywhere、WeTransfer
firestorage、おくりん坊 などがあります。
このサービスは、アップロードしたデータを先方がダウンロードできる通知(メール)が届く仕組みです。

以前は「宅ファイル便」を使用していましたが
現在サービスは終了しているようです。
5. 互換性を保つ場合
CADソフトや特定のアプリケーション専用のデータ形式は、相手の環境で開けない可能性があります。
圧縮ファイルとして送ると、相手側に複数のファイルを正しく受け取ってもらいやすくなります。

おすすめの方法は、元データに加えて
PDF文書に出力したデータも一緒に添付することです。
PDFファイルであれば先方も結果を確認しやすいです。
ファイル圧縮の利点
- データの保護
パスワード保護付きのZIPファイルは、第三者による不正アクセスを防ぐ手段として有効です。 - 送信コストの削減
圧縮によってファイルサイズが小さくなると、データ転送のスピードが向上し、通信コストを抑えることができます。 - データ管理の簡略化
一つのZIPファイルにまとめることで、相手がデータをダウンロードして解凍するだけで、内容を一括管理できます。 - エラーリスクの軽減
複数ファイルを個別に送ると、一部が漏れてしまう可能性があります。圧縮して送れば、すべてのデータを確実に届けられます。
注意点
- 圧縮形式の確認
相手側がZIP形式に対応していることを確認しましょう。
特に、古い環境では対応していない場合があります。 - パスワードの伝達方法
パスワード付きZIPファイルを送る場合、パスワードはメール以外の方法(例:電話や別のメッセージアプリ)で伝えるのが安全です。 - 解凍方法の説明
受け取った相手が圧縮ファイルの解凍方法を知らない場合もあります。初めての取引先や慣れていない相手には、簡単な解説やリンクを添えると親切です。

パソコン操作が不慣れな相手には、具体的な解説や手順を丁寧に伝えると喜ばれますよ!
👉 ぜひ、このページも一緒に教えてあげてくださいね。
実践例:建設工事関連データの送信
例えば、建設工事の発注者に以下のデータを送信する場合
- 工程表(Excelファイル)
- 現場写真(JPEG形式)
- 図面データ(DWG・DXF形式や電子納品であればP21形式)
これらをZIPファイルにまとめて送れば、発注者は一度で全てのデータを受け取れます。
またファイル名にプロジェクト名や日付を付けておくと、さらに管理しやすくなります。
例:プロジェクト名_2024_01_25.zip
(ファイルの内容や日時が一目でわかる)
ファイル圧縮とパスワード設定を活用して、効率的に
ファイルを圧縮して送ることは、建設工事における業務効率化やセキュリティ強化に役立ちます。適切なツールと方法を活用して、スムーズなコミュニケーションを図りましょう。
この記事を参考に、ぜひ実務に活かしてください!