屋根は住宅の防水性を保ち、雨風から家を守る重要な役割を果たしています。雨漏りや劣化を放置すると、建物全体に悪影響を及ぼす可能性があるため、定期的な点検と適切な補修が必要です。以下では、屋根の点検ポイントや補修方法、注意点について解説します。
屋根と雨どいの点検ポイント
屋根の点検は約3~5年ごとに行い、葺き替えのタイミングはおよそ15~20年が目安になります。
定期的にメンテナンスを行うことによって、屋根補修にかかる費用を抑えることができます。
瓦のズレや割れ、金属屋根のサビ
屋根材の異常を見つけたら、早めに対応しましょう。(屋根に苔などが生えている場合も)
降雪地域で金属屋根の場合、雪の滑り具合を改善するには3~5年ごとの再塗装が安心です。
雨漏りのサイン
天井や壁にシミやカビが発生している場合、雨漏りが疑われます。
雪止めや雨どいの詰まり
雨どいの詰まりは水はけを悪くし、雨水が建物に浸入する原因となります。

部屋の天井にシミや雨だれを発見したら
屋根や外壁などから水が侵入している可能性があります。
知っておきたい屋根の名称:破風板・軒裏・雨どい

破風板(はふいた)
位置: 屋根の端(側面)に取り付けられた板。
役割: 屋根の骨組みを隠し、風や雨が屋根内部に吹き込むのを防ぎます。
軒裏(のきうら)
位置: 屋根の出っ張り部分(軒)の裏側。
役割: 屋根裏への雨や風の侵入を防ぎ、建物を保護します。通気性を保つために換気口が設けられていることもあります。
雨どい
位置: 屋根の端に沿って設置される排水設備。
役割: 屋根に降った雨水を効率よく地面や排水口に流すことで、建物の外壁や基礎を雨水から守ります。

専門家に点検や修理を依頼するとき
どの部分を見て欲しいのか、不具合を伝える際に便利です。
屋根をチェックするときの注意ポイント
安全確認を徹底
長いはしごで屋根に登る際は、必ず安全帯を着用し、風の強い日には作業を控えましょう。
専門家やドローンを活用
高所作業が不安な場合は、専門家に依頼するか、ドローンによる空撮点検をおすすめします。

屋根と雨どいの補修方法
瓦の差し替えやコーキングの使用
割れた瓦は差し替え、コーキング材で隙間を埋めることで防水性を確保します。
金属屋根のサビの除去
電動グラインダーを使用して錆を削り落とし、プライマーや屋根用塗料で補修します。
雨どいの詰まり解消
はしごを使用して詰まりを取り除いたり、高圧洗浄機で洗い流すことを検討しましょう。転落事故には十分注意してください。

ケルヒャー(Karcher) 高圧洗浄機 K3
画像出典:AMAZON
プロに依頼する場合の選び方
信頼できる業者を選ぶ
地元の評判や実績がある業者を選び、見積もりを複数取得して比較すると安心です。
点検スケジュールを計画
梅雨前や冬の雪が降る前に点検を行うのがおすすめです。(春~秋までに工事が行われます)

高所作業は、特に危険が伴いますので
建築業者(屋根工事)に依頼するのが一般的です。
屋根メンテナンスと補修費用の目安
「家は一度建てたら終わり」ではありません!
住まいを長持ちさせるためには、屋根をはじめとする各部の定期的なメンテナンスが欠かせません。特に屋根は雨風や紫外線にさらされるため、劣化が進みやすい部分です。定期的な点検と早めの修繕が、トラブルを未然に防ぎ、大きな修理費用を抑える秘訣です。
1. 点検費用
- 専門業者による屋根点検:5,000円~20,000円
- ドローン点検・写真撮影(空撮):10,000円~30,000円(業者により異なる)
2. 軽微な補修作業
- 瓦のズレや割れの補修:3,000円~10,000円/枚
- コーキング(防水処理)の補修:3,000円~10,000円/箇所
- 雨どい清掃・補修:5,000円~20,000円
3. 塗装工事
- 金属屋根やスレート屋根の塗装:70万円~120万円
(※30坪程度の住宅の場合、塗料の種類や業者によって変動)
4. 屋根葺き替え工事(全面交換)
- 瓦屋根の葺き替え:150万円~300万円
- スレート屋根の葺き替え:100万円~200万円
- 金属屋根(ガルバリウム鋼板など)の葺き替え:120万円~250万円
5. 防水工事
- 防水シートの交換:40万円~80万円
(※屋根裏の防水シートが劣化している場合)
注意点
- 足場設置費用:10万円~20万円が追加で必要になることが多いです。
- 補修のタイミング:早期に修繕を行えば費用が抑えられます。放置すると劣化が進み、葺き替えなど大規模工事が必要になる場合があります。
- 業者選び:見積もりを複数社から取り、内容を比較することをおすすめします。(相見積もり:あいみつもり)
参考にしながら、実際の屋根の状況や予算に応じて最適なメンテナンス方法を検討すると良いでしょう。

建物の大きさ、必要な足場面積などによって費用は異なります。
可能であれば、複数の業者から見積をもらうことをお勧めします。
屋根と雨どいのメンテナンスまとめ
屋根は日常的に目が届きにくい部分ですが、劣化の放置は家全体に影響を及ぼします。安全を確保した上で適切に点検・補修を行い、必要に応じて専門家に相談しましょう。