残土処分と建設発生土の分類と目安を分かりやすく図解

残土処理と建設発生土

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Mコン

はじめまして。このサイトを運営しているMコンです。
建設業界に携わり、現場管理やIT活用を中心に実績を積んできました。
この記事では、私がこれまでの経験から学んだ知識を元に、具体的な事例と共に解説しています。少しでも皆さまの役に立つ情報を提供できれば幸いです。

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残土処分とは、建設工事によって発生した土砂(建設発生土)を適正に処分することをいいます。

公共工事や民間工事の施工業者でも、いまいち内容が良く分からなかった建設発生土の「区分」や、なぜ産業廃棄物を分けなくてはならないのか、現場内でコーン指数を測定する方法などについて基礎から分かりやすく解説しています。

また、民間工事を業者に依頼したいと考えている方が、現場から発生した残土や廃棄物がどのように処理されるのかなど、気になる点についても理解が深まってくれると幸いです。

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意外と残土を受け入れて欲しいという要望は多いです。

掘削と埋戻し、残土処分の関係性

建設工事には構造物を設置する部分の地面を掘削したり、土砂を使って埋め戻す作業があります。

一般的に、掘削によって発生した土は埋戻し材として再利用されますが
このとき、埋戻しに使わなかった土砂は残土として処分します(この作業を残土処分と呼びます

残土処分は、建設現場からダンプトラックなどで場外へ運搬し、埋め立て地やストックヤードなどの受け入れ地で処理したり、他の公共工事や民間工事に再利用する場合もあります。

民間工事で「残土処分費」や「運搬距離」を抑えたい場合
残土が発生した場所から、処分場までの距離を「運搬距離」と呼びます。
「運搬距離」が長くなると費用は高くなってしまうため、工事の費用を安く抑えたい場合は
残土を敷地内に敷き均して使い切ってしまうか、運搬距離を短縮できるように近場の処分場や埋め立て地を準備しておくと効率的です。

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残土発生場所から処分場までの距離はD(km)で表します。
作業効率を向上させるには運搬距離をいかに少なくできるかです。
工事の規模にもよりますが、改善すれば数十万~数百万単位の効果が望めます。

建設発生土と産業廃棄物

掘削の際、土砂にアスファルトガラ(殻)やコンクリートガラなどが混入している場合、そのまま埋戻しに用いることができません。

アスファルトやコンクリートは建設発生土ではなく産業廃棄物として処理する必要があるため
土砂とは分別して適切に処分する必要があります。

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上の図の「産業廃棄物」を適正に処分していないと処分の対象となりますので、普段からきちんと処分するようにして下さい。
また発注者に対しても、事前に処分にかかる経費を見積り、打合せを行うことも重要です。

地中に埋設されているコンクリート構造物や埋め立てに使用された廃棄物などは、事前に予測できない場合があります。
地面を掘削した際に産業廃棄物が発生した場合、工事施工業者から別途処分代などの費用をお願いされることがありますが、これらの産業廃棄物はそのまま埋戻しに使用すると処分の対象となってしまうため、公共・民間工事にかかわらず適正に処分されることが重要です。

建設発生土の分類、施工と走行の目安

建設発生土は、されに第一種から第四種建設発生土、泥土(建設汚泥)に分類されます。

1.第一種建設発生土(砂、礫およびこれらに準ずるもの)

おもに礫質土や砂質土および第一種改良土を指ます。
構造物の埋戻しや用地の盛土・築堤などの材料として利用されます。
強度特性を現す「コーン指数」は定められていません。

※コーン貫入試験や強度については、次の項目で解説しています。

2.第二種建設発生土(砂質土、礫質土およびこれらに準ずるもの)

礫質土、砂質土(細かい砂や礫のまざった)、および第二種改良土を指します。
構造物の埋戻しや用地の盛土などの材料として利用されます。
コーン指数は800(kN/m2)以上で、目安としてはダンプトラックやスクレーパーが走行できる程度です。

3.第三種建設発生土(通常の施工性が確保される粘性土およびこれに準ずるもの)

砂質土、粘性土(含水比40%以下)、火山灰質粘性土やこれに準ずるもの、および第三種改良土を指します。
構造物の埋戻しや用地の埋め立てなどの材料として利用されます。
盛土材料として利用する際は、土質改良やばっ気乾燥などの処理が必要な場合もあります。
コーン指数は400(kN/m2)以上で、目安として普通ブルドーザや湿地ブルドーザが走行できる程度です。

4.第四種建設発生土(粘性土およびこれに準ずるもの(第三種を除く))

砂質土、粘性土(含水比40~80%程度)、火山灰質粘性土、有機質土(含水比40~80%)および第四種改良土を指し
構造物の埋戻しや用地の埋め立てなどの材料として利用されます。
盛土材料として利用する際は、土質改良やばっ気乾燥などの処理が必要な場合もあります。
コーン指数は200(kN/m2)以上で、目安として超湿地ブルドーザが走行できる程度です。

5.泥土(建設汚泥)

砂質土、粘性土(含水比80%程度)、火山灰質粘性土、有機質土(含水比80%程度)、高有機質土を指します。
地盤より低く掘った場所への投入や、水面などの埋め立て材料として利用されます。
含水比が高くダンプトラックなどによる運搬が困難な場合、他の材料と混合して積込み・運搬処理されることもあります。
泥状の土砂を成形して形を成形することができないため、地面に深く掘った穴に埋め立てるのが一般的です。時間をかけてばっ気乾燥させることもあります。

建設現場におけるコーン指数の目安

建設現場において、埋め戻した地盤の状態や材料によって、おおよそどのくらいのコーン指数なのかを建設機械によって推測することもできます。あくまでも「目安」ですが代表的な建設機械とコーン指数は以下の図を参考にしてください。

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建設現場で盛土を行なった際に、ダンプトラックが走行できるようであればコーン指数は1,200kN/m2程度だと推定することができ、湿った田んぼの土の上では湿地ブルドーザや超湿地ブルドーザでなければ走行が困難であることが判断できます。

現場でコーン指数を測定するには「コーンペネトロメーター」を使用します。

「コーン貫入試験」は、土質の強度を評価するための一般的な土質試験の一つで、ポータブルコーン貫入試験では「コーンペネトロメーター」という機器を使用します。

使い方は、地盤に円錐状の先端のペネトメータを貫通させて抵抗を測定します。
主に公共工事などで、盛土の品質管理を充実させたい(根拠のあるデータを残したい)場合は
この機器を使って実際のデータを記録することが可能です。

また公共工事などで、発生土の区分が当初設計とは著しく異なる場合でも
監督職員(担当者)と実際のデータを元に協議する事もできます。


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実際に現地で測定した値は「根拠」であり「証拠」にもなります。
原設計で見込んでいた発生土と、実際に現場で発生したものが
著しく異なる場合は、もちろん協議の対象となります。

建設発生土は再利用することが求められています

建設発生土は再生可能な資源として位置付けられており、再生資源利用促進法によって、発生量の抑制を前提としたうえで現場内での再利用が求められています。

アスファルトやコンクリートガラなどの混入が認められる場合は、適切に分別を行うのはもちろんのこと、埋戻しや盛土に有効利用できるように処置しておくことをおすすめします。

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