アスベスト(石綿)は、高い耐久性・断熱性を持つ建材としてかつて広く利用されました。しかし、飛散した繊維を吸入することで深刻な健康被害を引き起こすことが判明し、現在では使用・製造が禁止されています。
それに伴い、解体工事や改修工事の際には「アスベスト事前調査」が義務化され、施工業者や発注者に正しい対応が求められています。
本記事では、アスベストの危険性と調査義務化のポイントを整理し、工事に関わる方が知っておくべき事項を解説します。
解体・改修工事の前に知っておくべき「アスベストの危険性」
発がん性物質:石綿肺、中皮腫、肺がんの原因となる。
潜伏期間が長い:10〜40年後に発症することもあり、早期発見が難しい。
飛散性が高い:肉眼では見えない微細な繊維が空気中に浮遊し、呼吸によって体内に入り込む。
アスベスト調査義務化の背景
2022年4月から、解体・改修工事におけるアスベスト事前調査が義務化されました。
国土交通省・環境省が定める「石綿障害予防規則」「大気汚染防止法」の改正がもとになっています。
解体・改修工事の設計及び施工において、適切な調査・報告を怠ると、罰則が科される可能性があります。
事前調査の流れ
図面・資料調査:建設当時の図面や仕様書を確認します。(当時のデータが残っていない場合もあります)
目視調査:現場にて外観や仕上げ材を確認。
採取・分析:必要に応じて建材のサンプルを採取し、専門機関で分析。
結果報告:発注者や自治体に報告。工事計画に反映。

石綿(アスベスト)の調査を行える資格者
建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者
特定建築物石綿含有建材調査者
※調査の対象建築物や用途によって、資格区分が異なるため注意が必要です。
義務化による工事現場への影響
調査費用・工期の増加
発注者・元請業者の責任が明確化
不適切な処理を避けるための情報共有が必須
適切な対応をしない・違反した場合のリスク
行政処分(工事停止命令)
罰金刑や社会的信用の失墜
労働者や周辺住民の健康被害につながる可能性
まとめ
アスベストは目に見えない危険をはらむ建材であり、適切な調査と処理が不可欠です。
2022年以降は、すべての解体・改修工事で事前調査が義務化されており、現場の責任者・発注者はこの流れを理解しておく必要があります。
今後は、調査結果の透明性や、現場での正しい周知がますます重要になるでしょう。

