現場監督や施工管理をしていると、
「電子納品のデータってどう作ればいいの?」
「工事写真をエクセルで求められたんだけど…」
といった質問を受けることがよくあります。
先日、工事コンサルの会社からも同じ相談を受けたため、これを機に“電子納品の基本と、実際に使えるテンプレート”をまとめておきます。
電子納品に慣れていない人でも、この記事だけでスムーズに工事写真・完成図書を整理できます。
1. 電子納品の「正」と「副」って何?紙ファイルはもう不要?
公共工事の発注者によっては、
工事写真・打合せ簿・完成図面などを 電子媒体(DVDなど)で提出 するよう求められます。
その際に
- 正本
- 副本
の2種類を用意するケースがあります。
昔は紙ファイルで提出するのが一般的でしたが、近年は電子納品が進み、紙のファイルは最低限。
発注者によっては、紙は最小限で、電子データで十分という場合も増えています。
2. 工事写真をエクセルでまとめる方法 ― “昔ながら”だが実は根強い人気
電子納品ソフトを使わず、エクセルで工事写真帳を作る方法も長く使われています。
- デジカメで撮影した写真をパソコンに取り込み
- エクセルに貼り付けて
- 工種・日付を入力し
- そのまま印刷またはPDF化
という昔ながらの作り方ですが、次の理由で今も人気です。
● エクセルならどのPCにも入っている
専用ソフト不要で、どの事務所でも作成可能です。
● L版プリントのように並べやすい
現場担当者に馴染みがあり、並べ替えも直感的。
● テンプレートを複製するだけでページ数が無限に増やせる
● 紙提出がベースの工事では十分すぎる
「電子納品なんて効率悪い」と感じる人もいますが、電子納品自体が必要ない工種や現場も多いことを覚えておくと役に立ちます。
▼ エクセル工事写真テンプレート(PDFサンプル付き)
- 工事写真帳表紙(A4タテ)
- 工種・日付入りレイアウト(A4 横2枚構成)
→ エクセル工事写真テンプレートはこちらからダウンロード

本当は、工事写真を自動でサイズ調整する“便利なマクロ”を入れていたのですが、多くの企業で マクロ付きファイルはセキュリティ上開けない 場合があります。
そのため今回は、どの会社でも安心して使える“マクロなし版”のテンプレート を配布することにしました。
写真の配置は手作業になりますが、テンプレート自体はそのまま使えますのでご安心ください!
エクセル版 工事写真テンプレートの使い方
1.表紙シートに「工事名」「工事期間」などを入力する
テンプレートの一番上にある基本情報欄に、
工事名・工事期間・受注者名・受注者名などを入力します。
工事写真帳表紙には現場代理人の印鑑ではなく会社印を押印します。(社名にやや重ねて)
2.写真を区分ごとに挿入する
- 各工種・区分ごとに写真をまとめます
- 「挿入 → 画像」から写真を貼り付け
- マクロなし版のため、写真サイズ・位置は手動で調整してください
(※L版プリント風のレイアウトになるよう枠を設けています)
3.写真の説明欄を入力する
各写真の下にある欄へ、必要事項を入力します。
- 写真区分(着工前完成・施工状況・使用資材・安全管理・品質管理・出来形管理・使用機械・その他など)
- 工種・細別(工事内訳書と同じ名称が望ましい)
- 写真の内容(どの作業・どの位置か):測点、○○状況、設置完了など
- 設計値/実測値(設計値は黒色、実測値は赤、監督員が確認した部分は青または緑色)
- 撮影日(西暦や略字Rではなく、令和〇年〇月〇日と記載するのが正式な方法です)
※読みやすいよう 明朝体 を指定しています。(フォントやサイズの修正も簡単です)

テキストの入力欄は12段用意しておいたので
どの行に何を記載するか決めておくと作業が楽ですよ。
4.印刷設定を調整する(A4縦/A3対応)
テンプレートは
- A4縦3枚、左右ページ
- A3の二つ折り
いずれにも対応しています。(エクセルの表示→改ページプレビューなどでご確認ください)
印刷時はプリンターの設定で
「片面」「両面」「2in1」「A3二つ折り」などを選んでください。(オリジナル版は余白を「狭い」にしています)
5.必要なページを追加していく
工事が大きいほど(工種が多いほど)写真は増えていきますが、シートをコピーしていけば、何ページでも追加可能。
1工種ずつ分けても、まとめてもOKです。

エクセル様式を使う場合、電子納品ソフトと違って
写真をずらしたり削除するときに手間がかかります。
工事写真をまとめる際は、余白が残っていても工種ごと・作業ごとにページやシートを分けたほうが後々楽になります。
工事写真のデータはパソコンを重くするのでUSBメモリなどにバックアップを!
工事写真は数百〜数千枚になることも多く、
そのままパソコンに溜め続けると 動作が重くなったり、故障時に全データが失われるリスク があります。
そのため、
1現場につき1本、USBメモリでバックアップを取る のがおすすめです。
最近は容量が大きく、持ち運びしやすいUSBメモリが安価で手に入るため、
工事現場のデータ管理には最適です。
6.電子媒体で提出する場合はPDF化する
Excelでページが完成したら、
「ファイル → 名前を付けて保存 → PDF」
に変換するだけで、電子納品でも一般提出でも使えます。
>> スキャナー付き複合機HP プリンター HP Smart Tank 6005 大容量

私の事務所ではCanon MAXFI(複合機)を使用しています。
上のHPはAMAZONで人気の複合機で、大容量タンク仕様
かつAIスキャン機能も搭載されています。
3. 電子納品ソフトでまとめる方法 ― 完成図書の一元管理が可能
電子納品ソフトを使うと、
工事写真から完成図まで 統一ルールで管理・出力 できます。
電子納品を工事写真だけで済ませたいなら、蔵衛門御用達が便利です。
一般的な使い方は:
- 工事写真……電子納品ソフトで分類
- 打合せ簿……PDF化して保存(Acrobat、MicrosoftPDF、スキャナ可)
- 図面……PDF化して格納
- 提出……DVDへ保存
電子納品ソフトは大規模工事や公共工事では必須ですが、
工事写真だけソフト、他はPDF という混合方式も現場では普通に行われています。
4. 元請が「電子納品前提」でも、発注者が紙データで良いことがある
公共工事を多く扱う会社では、電子納品が当たり前ですが、
下請工事では電子納品を求めない 発注者もいます。
そのため重要なのは…
契約時の打合せで“電子納品の有無”を確認すること。
工事の終盤になってから
「やっぱり電子納品でお願いします」
と言われると、写真の再整理が発生して非常に手間です。
>> 工事写真の紙ファイルはどこで買える?電子ファイル リファイル台紙 A4
5. 工事写真の日付はExifで管理される
電子納品ソフトは、写真データに埋め込まれているExif(撮影日時データ) を読むため、
- エクセルに貼ってもExifは残る
- PDF化してもExifは残る
安心してください。
近年は撮影日のごまかしは起きないため、日付がズレていても発注者が強く指摘することは減りました。
ただし…
工事写真に朱書きで矢印や説明を入れるのはNG(不正扱い)
電子納品は非常に厳格で、修正痕があるとエラー扱いされるので注意。
6. 略図・アップ写真の加工もNG(電子納品は修正に厳しい)
工事写真や説明を見やすくするために
- 矢印を入れる
- 写真を切り取って拡大
- 解説図を写真の上に置く
…といった加工は、電子納品では「改ざん」と判断されることがあります。
エクセル写真帳であれば、こうした “現場の工夫” が残せる のもメリットです。
7. 撮影枚数と提出枚数は別物 ― 全部出す必要はない
現場では数百〜数千枚の写真を撮影しますが、
そのすべてを提出する必要はありません。
例:
- 1,000万円の工事 → 写真が1,000枚撮れても提出はごく一部で良い
- 1億円の工事でも、提出写真100〜200枚程度で十分なこともある
私が国交省工事を担当したときも、
DVDには大量の写真が入っていますが、印刷物は驚くほどシンプルでした。
監督員が必要なときだけDVDから確認する仕組みになっているためです。
まとめ:電子納品=複雑ではなく「最小限にまとめるのが普通」
電子納品というと難しく感じますが、実際には次のように考えると簡単です。
- 提出は最小限でOK
- バックデータはDVDに入れておけばOK
- エクセル写真帳でも十分な現場は多い
- 加工はNG(そのまま提出)
- 契約時に“電子納品の有無”を必ず確認
そして今回まとめたように
現場でよく使われるエクセル写真帳テンプレート を用意しておけば、
急な書類作成でもスムーズです。

