何年も前に、扇風機のタイマースイッチを足で操作してしまい、つまみ部分を折ってしまいました。
「いつか直そう」と思いながら、部屋の片隅に置いたまま数年。
今回はこの壊れたつまみを、UVレジンと簡易型枠を使って補修してみます。
扇風機のタイマーつまみの構造

扇風機のタイマーつまみは、内部の金属製T字軸の動きを、薄いプラスチック部品で受ける構造になっています。
- 金属軸はT字形状
- つまみ内部に細い切り欠き
- 力が一点に集中しやすい
つまり、構造上どうしても折れやすい設計です。
掛けた部品を見つけて瞬間接着剤で接着しても、同じ箇所が再び折れることが多いのはそのためです。
今回は単なる接着ではなく、構造ごと補強する方法を試します。
小さな部品の補修に「型枠」は必要か?
建設現場では、コンクリート打設に木製や金属製の型枠を使います。
しかし今回の補修は数ミリ規模。
この程度なら、紙とテープで十分に型枠の代用が可能です。
ポストイットを内枠に使う

つまみ内部の空洞部分を作るために、
- ポストイットを丸めて円筒状にする
- 部品内部にややきつめに差し込む
これで内枠が完成です。
後で抜きやすくするために、テープを巻いたり石鹸水を塗るのも有効です。(あとで型枠をはがしやすくする剥離剤の役割)
※構造や耐久度などh、建設現場のボイド管と同じ考え方です。
補修前の下処理

UVレジンの接着力を高めるため、
- ミニルーターで破断面を整える
- 接着面に軽く傷をつける(足付け)
- 表面を粗くすることで接着強度が向上します。
外枠の作り方

外枠は紙テープを裏向き(ツルツル面を内側)にして巻きました。
※手元に合ったボールペンの太さが補修パーツのサイズと似ていたため、軸として採用。
巻き終わった後にテープ粘着面を覆うため、もう1周だけテープを反対向きに巻いています。
- 軸よりやや太めに設定(強度確保)
- 数ミリ長めにしておく(後で削りやすい)
透明テープの方がUV硬化しやすいですが、今回は視認性優先で黄色のマスキングテープを使用しています。

外枠の固定・レジンが流れ込んで欲しくない部分に両面テープを貼っておきます。

型枠がズレないよう、細く切ったテープや両面テープで固定します。

注い棒などを使って、内枠と外枠の形状(円筒状になるように)を整えておきます。

壁厚・肉厚の確保といったところでしょうか。
UVレジンの準備

今回使用したのは透明タイプのUVレジン。>>RWATELIER UVレジン液 260g(レジンキット付き)
なお、今回補修したいつまみは「乳白色」なので、
レジン:約ティースプーン1杯
アクリル白塗料:1滴
を混ぜて着色しました。
少し多めに作っておくと、後から補強に使えます。
※塗料を入れると粘度が上がるため、棒ですくって流し込みます。
レジンを流し込む

型枠内に慎重に充填します。

UVレジンと塗料は「粘度が高い」ため、量が少ないと水やコンクリートのようにうまく注ぐことができないため、細い棒や小さなさじを使って材料を入れると作業が楽です。

部品の根元は、少量材料を入れたらUVライトで硬化させておくと安心。
少しずつ重点と硬化を繰り返しながら、外枠を軽く叩いて気泡を抜く

傾けて均一化しながら、外枠を軽く叩いて空気を抜く
透明テープではないため、硬化時間はやや長めに設定しています。
この作業を数回に分けて硬化させます。

UVレジン流し込みは、焦って作業しなくても大丈夫です。
レジン液はUVライトを当てるまでほとんど硬化し始めませんから
落ち着いてゆっくり作業できます。
脱型(だっけい)

硬化後、外枠を取り外します。(外枠をはがしながら、さらにUVライトを当てると尚ヨシ)


この時点で、もとよりわずかに大きくできていたらOK
あとで切削などの仕上げがしやすくなります。
今回の色の配合はバッチリですね(雰囲気で調合)

内枠(ポストイット)はペンチで軽く捻じると抜けます。
紙素材なので潰せば簡単に取り出せます。
円柱状の補強部がしっかり形成されました。
追加補強

余ったレジンは、
- 応力が集中しそうな部分
- もともと肉薄だった部分
に薄く塗布して補強します。
※太くしすぎると本体に入らなくなるため、ノギスで計測推奨。
仕上げ加工

使用工具

電化製品のつまみは基本的に直角構造です。
直角を出すため、小さな木片などを当てながら研磨すると精度が出ます。

形が整ったら、念のため二次硬化。
使い終わったレジンやツールの清掃も忘れずに

この時点で、レジン液・シリコンカップ・混ぜ棒は片付けてしまってもOKです。
水で軽く濡らしたティッシュなどでレジン液をふき取っておくと、次回使うときにモチベーションが高まります。
誤って机の上に樹脂をこぼしてしまってベタベタさせずに済みます。
T字軸の切り込み加工
ここが最大のポイントです。
「雰囲気で切らないこと」

このわずかな手間を惜しんで、斜めに切ってしまったりすると
これまでの作業をやり直すハメに・・・。
必ず下書きをする

直角・位置ズレを確認しながら、鉛筆やペンで下書きを行います。
バイスで固定

小型ノコギリやプラスチックソー・塩ビカッターなどで慎重に加工します。
※細かい部品を切る場合は、なるべく目の細かい歯を使用します。(歯が荒いのこぎりしかない場合は「押して少しずつ切る」と素材を痛めにくくなります)
※また、精密加工は指を三点支持すると安定します。
完成


つまみパーツの表側も、綺麗に清掃しておきました(案外これが重要)
補修した部品を本体に取り付ける

補修したつまみを本体に取り付けました。(冬場に作業していたため、片付けていた扇風機を引っ張り出してきたゾw)
正常にタイマーが作動しました。

他の部品は経年劣化で黄変していますが、補修部は真っ白で逆に目立ちますね。
まとめ
- UVレジンは小部品補修に非常に有効
- 紙とテープで十分な型枠が作れる
- 構造を理解して補強すれば再破損しにくい
- 加工前の下書きが精度を左右する
もし、壊れたまま放置している家電があるならUVレジンとご家庭にある簡易型枠で再生できる可能性がありますので
この記事が参考になったらぜひお試しください。

