工事現場や製作の現場で、図面はなくてはならない存在です。
「発注者や施主に説明するためのもの」
「関係者に内容を共有するためのもの」
と考えられがちですが
私の経験上、図面はまず“自分のため”に描くものだと感じています。
図面を描きながら、自分自身が工事の全体像を理解し、仕上がりをイメージできて初めて、他人に分かりやすく伝えられる資料になるのです。
図面を描く人が目的を理解・仕上がりをイメージできていることが重要
図面を描く人と、実際に工事や製品を仕上げる人は必ずしも同じではありません。
現場の細部や施工の工法は、作図者がイメージしていなければ伝わらないこともあります。
私の場合はCADオペレーター、調査から書類作成、現場作業、重機操作まで一連を経験してきました。
その過程で学んだのは、図面を描く人が「どんな問題を解決したいのか」「どんな方法が適切か」を理解し、図面に反映させることの大切さです。
完成図があっても「整理と工夫」が必要
完成図や原図がある場合でも、作業は単なるトレースではありません。
その形状をどうすれば効率的かつ安全に実現できるか、人材や機械の選定も含めて考える必要があります。
図面は「設計通りに仕上げるための道しるべ」であると同時に、現場の環境や地域の要望に対応するための柔軟な発想も求められます。
図面はイメージ+記録
図面は“そのまま作れば完成する設計図”というだけでなく、条件や注意事項を残す記録でもあります。
描いている時点で自分が理解できているか、完成品を正しくイメージできているかが問われます。
最終的に提出する成果品としての役割を果たすためにも、図面は「自分の理解」と「相手に伝える手段」の両立が不可欠です。

よく「設計図面はあくまでもイメージ・落書きと思え」と言われる理由です。もちろん悪い意味ではなく、よく見て理解し・実際の現場もよく見ることが重要だということです。


図面の印刷はA1,カラーです。
現場で作業する人たちにも分かりやすいように
建設現場にマッチするおすすめのCAD
建設系の図面作成において、私が長年愛用しているのは Turbocad です。
座標計算やトラバース測量、3D対応など、現場で求められる機能をしっかり備えています。
もちろん電子納品用のCADやJWCADを使うこともありますが、建設業務に特化した図面作成ではTurbocadをおすすめします。
Turbocadの背景
TurbocadはもともとIMSI社が建設用CADとして開発した製品で、TOTOなどの建材データにも対応していました。
一時期はCanonシステムソリューションズが日本で販売していましたが、電子納品の普及や技術者不足の影響もあり撤退。その後もIMSIではバージョンアップが続けられ、現在でも安定して利用できるCADソフトです。
国産CADの課題
国産の電子納品用CADは機能が限定的で、BIM規格への対応も遅れがちです。
そもそも2D CADすら導入していない会社も少なくありません。
電子納品ソフト → 必要最低限の機能に留まる
BIM対応 → 設計者や元請け側の修正を現場で反映する仕組みが遅れている
現場側の負担増 → 権利や業務の押し付けによって対応しきれない企業が多い
そのため、現時点ではDXF形式でのやりとりが最も無難です。
BIMでの使い勝手やAI操作など、比較的従来のCADに近い2D・3DCADなら「ARES Commander」がおすすめです。
私の考え
個人的には、国産のCADは電子納品用に限定的に使用し、
図面作成や座標管理には海外でも実績のある AUTOCADやTurbocad を活用するのが望ましいと考えています。
国産のフリーCADを使うなら、JWCADやHOCADで座標系図面の管理も十分に可能です。
建設現場に必要なのは「使いやすさ」と「将来の規格に対応できる柔軟性」です。
電子納品やBIMの規格に縛られるよりも、海外実績のあるCADを導入しておく方が長期的に安心です。
Turbocadはその点で、建設現場にマッチした実用的な選択肢といえるでしょう。
まとめ
図面は単なる提出物ではなく、施工主や関係者に正しく伝えるためのツールであり、自分自身が工事を理解するための作業でもあります。
イメージと記録を兼ね備えた図面づくりが、スムーズで納得感のある工事につながります。



